お役立ち情報
原状回復無しで居抜き退去するルールとは?流れや事例を解説
2026.08.26
通常、オフィス退去時にはオフィスを元の状態に戻す「原状回復義務」が発生します。では、内装や設備をそのまま後継テナントに引き継ぐ「居抜き物件」の場合、原状回復義務の扱いはどのようになるのでしょうか?本記事では、居抜き物件における原状回復義務の扱い、退去時の流れ、居抜き退去を円滑に進めるポイントなどを分かりやすく解説します。
目次
居抜き物件とは?
居抜き物件とは、前テナントが使用していた内装や家具などをそのまま引き継いで入居できる物件のことです。内装工事の手間を大幅に削減できるため、スピーディーに業務を開始できる点が大きなメリットです。また、内装工事費や家具購入費などの費用削減にもつながるので、コストを抑えて移転したい企業にとって有力な選択肢の一つといえるでしょう。
さらに、居抜き物件は建材や家具を再利用できるため、廃棄物の削減に貢献します。資源を有効活用できることから、サステナビリティにもつながる点が魅力です。

【居抜きオフィスについて詳しく知りたい方はこちら】
居抜きオフィスはなぜ人気?セットアップオフィスの違いやメリット・優位性とは
原状回復義務とは?
原状回復義務とは、賃貸借契約の終了時に、オフィスを入居時の状態に戻す責任のことです。ただし、どのような状態まで回復する必要があるかは契約によって異なるため、賃貸借契約書をよく確認することが重要です。
一般的な賃貸借契約では、退去時に原状回復義務が発生するケースがほとんどです。居抜き物件に入居した場合も、原則として退去時には原状回復が必要となります。ただし、「居抜き退去」が認められた場合は、原状回復が不要となるケースもあります。
【原状回復について詳しく知りたい方はこちら】
テナントの原状回復とは?費用の相場と工事の範囲を分かりやすく解説
居抜き退去の原状回復義務について
居抜き退去が認められた場合、原則として原状回復は不要です。しかし、契約内容や状況によっては原状回復義務が発生するケースもあります。それぞれのケースについて見ていきましょう。
原状回復義務が発生しないケース
居抜き物件の場合、タイミング良く後継テナントが見つかれば、内装や設備をそのまま後継テナントに引き継ぐことができ、原状回復が不要となるケースが多いです。居抜き退去をすると、原状回復義務は後継テナントへと引き継がれます。そのため、後継テナントは退去時に原状回復を行う必要があります。
原状回復義務が発生するケース
居抜き物件は、居抜き退去が認められれば原状回復が不要です。一方で、居抜き退去ができない場合は原則として原状回復工事を行う必要があります。たとえば、後継テナントの移転のタイミングが合わない、契約条件がマッチしないなどの理由で、次の入居希望者が見つからない場合は原状回復工事を行わなければなりません。
また、入居希望者が見つかったとしても、原状回復後の引き渡し希望で申し込みが入った場合は、原状回復を行わざるを得なくなります。
解約後は居抜きの募集と原状回復の見積もりを同時に行うのがおすすめ
居抜き退去を希望する場合でも、居抜きでの募集期間は原状回復工事が発生する想定でスケジュールが組まれるのが一般的です。居抜きでの募集期間は、基本的に原状回復工事の発注期限までとなります。募集期間中に次の入居希望者が見つからなければ、賃貸借契約終了までに原状回復工事を完了させなければなりません。
たとえば解約予告期間が6ヶ月の物件の場合、原状回復期間や発注期限を考慮すると、居抜きでの募集期間はおおよそ2~3ヶ月程度となります。
原状回復工事にかかる期間は、物件の規模や内装によって異なりますが、おおよそ数週間~1ヶ月程度です。
一方で、大型ビルやスケルトン天井等の大がかりな内装を行っている物件では、原状回復工事にかかる期間はさらに長くなり、それに伴って原状回復工事の発注期限も早まります。
原状回復工事の発注までの期日が短いと、原状回復工事に関して交渉が難しくなり、スケジュールに余裕がない中で退去・移転作業を進めなければなりません。
そのため、居抜き退去を希望するのであれば、万が一に備えて居抜き募集と並行して同時に原状回復工事の準備をしておくのがおすすめです。原状回復工事の見積もりを早めにもらうことで、原状回復が必要となった場合でも慌てずに各種交渉や手続きを進められるでしょう。
見積もりを取る際は複数社から取得し、相見積もりによって価格や内容の相場観を把握することが重要です。また、原状回復に関するコンサルティングを行う専門会社へ相談するのも有効な方法です。
なお、原状回復工事で指定工事業者の利用が求められる物件もあるため、事前に確認しておきましょう。あわせて、契約書に記載された原状回復の範囲や特約を確認し、契約上不要な工事については根拠を示したうえで断るようにすることも大切です。

居抜き退去の流れ

居抜き退去は、通常の退去とは異なるプロセスで進められます。ここでは、居抜き退去の流れを詳しく紹介します。
Step1.貸主に居抜きによる退去を打診する
居抜き退去をするには、後継テナントの募集や原状回復工事への備えなど対応すべきことが多数あります。十分な時間を確保するためにも、早めに居抜き退去を検討し、計画的に進めることが大切です。
また、居抜き退去には、貸主の承認が必要です。承諾を得ないまま居抜き退去を進めようとするとトラブルに発展する可能性があるため、解約通知をする前に貸主に居抜き退去の打診をしましょう。なお、スムーズな居抜き退去には、居抜き退去の実績がある業者のサポートが不可欠です。この段階で、居抜き退去の実績が豊富な業者に依頼・相談して、スムーズな退去交渉や調整をサポートしてもらうのがおすすめです。
Step2.解約予告通知書を提出する
居抜き退去の承諾を得たら、現オフィスの解約通知を行います。解約予告期間は物件によって異なるため、賃貸借契約書に記載されている解約予告期間を事前に確認しておきましょう。なお、解約通知が遅れると、予定していた日程で退去ができなくなったり、移転スケジュール全体に影響が及んだりする可能性があるため、注意が必要です。
Step3.原状回復工事の見積もりをする
後継テナントが見つからない場合に備えて、この段階で原状回復工事の見積もりをします。現オフィスの現地調査を実施して、早めに見積もりを取得して原状回復工事にかかる期間や原状回復工事の発注期限を把握しておきましょう。なお、居抜きでの募集期間は貸主にて指定されているケースが多いため、貸主に確認して居抜きで募集できる期間を把握することも大切です。
【原状回復工事の相場について詳しく知りたい方はこちら】
オフィスの原状回復工事の相場は?費用が高くなる要因とコストダウンの方法
Step4.必要となる情報や書類を提供する
居抜き物件では、残置物をそのまま後継テナントに引き継ぐことができるケースが多いです。移転先に持って行く設備や備品、残置する設備や備品の選別を行い、譲渡する残置物の情報を整理しておきましょう。また、物件の情報を引き継ぐためにも、以下の書類を貸主または管理会社に提出する必要があります。
レイアウトの図面
施工内容・工事図面
上記の書類に含まれる情報は、居抜き物件の募集時に重要な役割を果たします。貸主や管理会社と連携をとりながら、正確な書類を作成することが大切です。
Step5.後継テナントを募集する
必要書類を提出したら、居抜き物件の入居希望者の募集開始です。後継テナントの募集は基本的に貸主や不動産会社が行ってくれるため、借主である企業側で募集をかける必要はありません。また、居抜き退去の実績がある業者に依頼すれば、業者が入居希望者探しをサポートしてくれます。
ただし、後続テナントが見つからない場合は原状回復が必要となるため、借主側でもSNSでアピールしたり、後続テナントの目星をつけたりしておくと良いでしょう。SNSに情報を掲載する際は、事前に貸主の承諾を得るようにしてください。
Step6.造作譲渡契約を締結する
後継テナントが決まったら、造作譲渡契約を締結する必要があります。造作譲渡契約とは、残置する設備や内装などを次の入居者に譲渡するための契約のことです。
造作譲渡契約書には、原状回復義務の有無や譲渡項目・譲渡価格、契約不適合責任など詳しい情報を記載します。造作譲渡契約と賃貸借契約の締結が完了したら、物件の引き渡しを行います。
【事例付き】居抜き退去を円滑に行うためのポイント
居抜き退去は、念入りな準備と計画が必要です。居抜き退去を円滑に行うためにも、以下の2つのポイントを押さえておきましょう。
内装の状態や譲渡する内容をしっかり確認しておく
居抜き退去では、物件や残置物の情報を正確に引き継ぐ必要があります。提出書類や契約書に漏れ・抜けがあると、引き渡し後にトラブルに発展する可能性があるため注意が必要です。内装の状態や譲渡する内容をしっかり確認して、リスト化したうえで書類や契約書を作成しましょう。
また、譲渡する設備に故障・不具合がないか、リース品の解約忘れがないかなどを確認するとともに、不備があった場合の責任の所在を明確にすることも大切です。
余裕を持って退去計画を立てる
居抜き退去を行う際は、貸主への打診、解約通知、残置物の選別、必要書類や契約書の作成など、さまざまな手続きや準備が必要となります。そのため、十分な時間を確保し、計画的に進めることが重要です。
スケジュールに余裕がないと、希望通りの条件で退去できなかったり、予期せぬトラブルが発生したりする可能性があります。また、後継テナントが見つからず、原状回復工事が発生するケースも想定しておかなければなりません。退去日から逆算して余裕のあるスケジュールを立てるとともに、居抜き退去ができなかった場合のプランも併せて作成しておくと安心でしょう。
実績が豊富な業者にサポートしてもらう
居抜き退去は通常の退去とは異なる知識や手続きが必要となるので、自社だけで進めるのは難しいでしょう。そのため、居抜き退去の実績が豊富な業者へ相談・依頼して、サポートを受けるのがおすすめです。専門業者に依頼することで、オーナーへの交渉や各種調整をサポートしてもらえるため、スムーズに居抜き退去を進めやすくなります。
当社が支援した居抜き入居&居抜き退去の事例
株式会社 Japan Asset Management様は、居抜き入居と居抜き退去の「W居抜き移転」を実現しました。管理会社に相談したところ、「1.5ヶ月以内に後継テナントが見つかれば居抜き退去OK」との回答を得ました。その後、無事に後継テナントが決定し、居抜き退去を実現できたのです。
ただし、今回は移転先も居抜き物件だったので、入居先の前テナントの残置物が確定しないと自社で持ち込むものを判断できないという課題がありました。そのため、残置するものと移転先へ持って行くものの選別には、通常よりも高い調整力が求められました。また、スケジュールも非常にタイトで、余裕を持った移転計画を立てることの重要性を実感したそうです。
一方、入居先の居抜き物件では前テナントが家具や事務用品などをほとんど残しており、オフィス自体も綺麗な状態だったため、大きな工事を行うことなくそのまま利用できました。結果として、コストを最低限に抑えながら、スムーズ&スピーディーな移転を実現しています。
株式会社Japan Asset Management「入居&退去の『W居抜き移転』実例をご紹介①/入居成功例」
株式会社Japan Asset Management「入居&退去の『W居抜き移転』実例をご紹介②/居抜き退去はココに注意!」
まとめ
通常、退去時は原状回復が必要ですが、居抜き退去ができれば原状回復は原則として不要になります。居抜き退去をすることで、原状回復工事費や不用品の処分費用を削減できるので、移転コストを抑えたい企業にとってもメリットが大きいです。居抜き退去をスムーズに進めるためにも、居抜き退去・移転の実績が豊富な業者のサポートを受けると良いでしょう。
つながるオフィスでは、居抜きオフィス物件の退去・移転をサポートいたします。オーナー様への交渉や入居希望者探しのサポートにも対応しておりますので、スムーズな居抜き退去が実現可能です。お気軽にお問い合わせください。
CONTACT US CONTACT US
居抜きオフィス物件の
入居・募集なら
つながるオフィスへお任せください
居抜き物件を探す
お問い合わせ
つながるオフィスについて
居抜き物件を登録(無料)
サステナビリティ
よくある質問
お役立ち情報
お知らせ
はじめての方
閲覧履歴
お気に入り



