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オフィスの休憩スペース作りのポイントは?レイアウト例まで紹介!
2025.06.18
「働き方改革」が推進される現代において、企業の休憩スペースの重要性はますます高まっているのはご存じでしょうか?従業員が心身ともにリフレッシュできる場所を提供することは、単なる福利厚生にとどまらず、生産性の向上や採用活動の強化にも期待できる重要な取り組みです。 この記事では、休憩スペースの基本的な定義から、おすすめの設備や家具まで、幅広く解説します。これから休憩スペースの新設や改善を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
休憩スペースとは?その定義と重要性
休憩スペースとは、従業員が業務の合間に休息をとり、リフレッシュするための専用の空間を指します。単に椅子やテーブルが置かれた場所というだけでなく、従業員の心身の回復を促し、コミュニケーションの場としても機能する多目的なスペースです。
業種や企業規模、従業員の働き方によって求められる休憩スペースの形は異なりますが、従業員が「よし、また頑張ろう」と感じられる環境を整えることが重要です。
なお、「休憩室」と「休養室」は似ているようで異なる施設なので注意しましょう。「休養室」は労働安全衛生法に基づき、常時50人以上の労働者または常時30人以上の女性労働者を使用する場合に設置が義務付けられている、体調不良時に横になって休める施設です。一方、本記事で紹介する「休憩スペース」は主に短時間の休憩や食事のために使用される空間で、法律上は設置の努力義務となっています。
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休憩スペースを設置するメリット
休憩スペースの設置には、従業員個人にとってのメリットだけでなく、企業にとってもさまざまなメリットがあります。
生産性と集中力の向上
人間の集中力には限界があり、長時間同じ作業を続けると効率が低下することが研究で明らかになっています。疲れた時に適切な休憩を取ることで脳や身体が回復し、業務に戻った後の集中力や作業効率がかえって向上するケースもあるでしょう。
「休憩を取りすぎると仕事の効率が落ちるのでは?」と懸念される方もいるかもしれませんが、実際には適切な休憩がない環境の方が長期的には生産性が低下する傾向にあります。休憩スペースを効果的に活用することで、最終的には組織全体の生産性向上につながります。
社内コミュニケーションの活性化
休憩スペースは、休憩するだけではなく、デスクワークが中心の職場では、貴重な交流の場となります。リラックスした雰囲気の中での何気ない会話から、業務上の課題解決のヒントが生まれたり、新たなアイデアが出てきたりすることも少なくありません。
創造性とアイデア創出の促進
リラックスしている状態は、創造性を高めることが知られています。緊張状態が続くと思考が固くなりがちですが、休憩によってリラックスすることで発想が柔軟になり、新しいアイデアが生まれやすくなります。
休憩スペースでコーヒーを飲みながらリラックスすることで、行き詰まっていた問題の解決策が突然ひらめいた、という経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。そのような「ひらめきの瞬間」を増やす場として、休憩スペースは大きな役割を果たします。
従業員満足度の向上と定着率アップ
快適な休憩スペースは、従業員の職場に対する満足度を高め、結果として定着率の向上にもつながります。特に最近では、職場環境を重視する傾向が強まっており、休憩スペースの充実は従業員が会社を評価する重要な要素の一つになっています。
オフィス環境の充実は「この会社は従業員のことを大切にしている」という印象を間接的に与えやすく従業員のエンゲージメントや会社への帰属意識が高まります。また、休憩時間を快適に過ごせることで仕事へのモチベーションも向上し、離職率の低下にも期待ができます。
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企業ブランディングへの効果
おしゃれで機能的な休憩スペースは、企業のHP掲載コンテンツとしても有効的に活躍できるため、ブランディングにもプラスの効果をもたらします。来訪者や見学者に対して「従業員を大切にする企業文化」をアピールする場として活用できますし、採用活動においても魅力的なポイントとなるでしょう。
快適な休憩スペースをつくる6つのポイント
休憩スペースを設置する際には、何をどのように考慮すべきでしょうか。ここでは、効果的な休憩スペースづくりの6つの基本ポイントを解説します。
業務スペースとの適切な距離感を保つ
休憩スペースは、業務エリアから適切な距離を保った場所に設置することが理想的です。物理的な距離があることで、従業員は心理的にも「仕事モード」から「休憩モード」へと切り替えやすくなります。
工場や倉庫など広い施設では、作業エリアから適切な距離にある場所を選び、必要に応じて防音対策も施すとよいでしょう。作業音が聞こえる環境では十分にリラックスできないため、休憩の質が低下してしまいます。
用途に合わせた広さを確保する
休憩スペースの広さは、利用人数と用途に合わせて適切に設定することが大切です。一般的な目安としては、食事や休憩のみを目的とする場合は従業員一人当たり0.6坪程度、多目的に活用する場合は0.7〜0.8坪以上が望ましいとされています。
狭いスペースしか確保できない場合は、レイアウトや家具選びを工夫して、限られたスペースを効率的に活用する方法も検討しましょう。例えば、折りたたみ式の家具や多機能な家具を選ぶことで、スペースを有効活用できます。
リラックスできる環境づくりを意識する
休憩スペースの本来の目的は、従業員がリラックスして心身をリフレッシュすることです。そのためには、照明、色彩、音環境、温度など、五感に配慮した空間設計が重要になります。
照明は、自然光を取り入れるのが理想的ですが、難しい場合は温かみのある間接照明を取り入れるとよいでしょう。壁や床の色は、ブルーやグリーンなどのリラックス効果のある色や、ナチュラルな木目調を取り入れるとよいでしょう。
音環境も重要で、BGMを流すなら心拍数を下げる効果があるとされる60〜80BPMの曲がおすすめです。観葉植物を置くことも効果的で、グリーンには視覚的なリラックス効果だけでなく、空気清浄や湿度調整といった機能もあります。小さなポット植物から大型の観葉植物まで、スペースに合わせて取り入れるとよいでしょう。
利用者のニーズを取り入れる
休憩スペースをつくる際に忘れてはならないのが、実際に利用する従業員のニーズを反映させることです。どんなに理想的な空間をつくっても、利用者が求めていない設備では十分に活用されません。
設計前に従業員アンケートを実施し、「どんな休憩スペースがあったら使いたいか」「どんな設備があると便利か」などの意見を集めることをおすすめします。運用開始後も定期的にフィードバックを集め、必要に応じて設備や運用方法を見直していくことが、長期的に活用される休憩スペースづくりのポイントです。
明確な利用ルールを設定する
休憩スペースを気持ちよく利用するためには、明確なルールを設定することも重要です。特に多くの従業員が共有するスペースでは、ルールがないとトラブルの原因になりかねません。
主なルール設定のポイントとしては、利用時間(時間帯や滞在時間の制限など)、飲食の可否、私物の置き方、清掃の分担、音の出る機器の使用制限などが挙げられます。
定期的なメンテナンスと改善を行う
休憩スペースは一度設置して終わりではなく、定期的なメンテナンスと改善が必要です。清掃はもちろん、家具の状態チェックや、設備の更新なども計画的に行いましょう。
中長期的には、家具や設備の経年劣化にも注意が必要です。特に毎日多くの人が使用する椅子やソファは想像以上に早く劣化するため、定期的なメンテナンスや適切なタイミングでの更新が必要でしょう。
職場環境別・休憩スペースの特徴とポイント
職場環境によって、休憩スペースに求められる機能や設備は異なります。ここでは、主な職場タイプ別に、休憩スペースの特徴やポイントを解説します。
オフィス環境の休憩スペース
オフィス環境では、主にデスクワークによる目や肩、腰の疲れを癒し、気分転換ができる休憩スペースに一定にニーズがあります。オフィスワーカーは長時間同じ姿勢で作業することが多いため、体を動かしたり、視点を変えたりできる環境を整えるとよいでしょう。
デスクワークとは異なる姿勢で休めるよう、ソファやリクライニングチェアなどくつろげる家具を設置することが重要です。
また、オフィス環境の休憩スペースでは、コミュニケーションの促進も重要な役割の一つです。部署や階層を超えた交流が生まれるよう、オープンな雰囲気づくりを心がけましょう。ただし、一人でゆっくり休みたいという従業員のニーズにも配慮し、静かに過ごせるコーナーも設けるとよいでしょう。
工場・倉庫の休憩スペース
工場や倉庫などの製造現場では、作業環境が暑かったり寒かったりする場合も多いため、快適な温度環境を提供することも重要です。
まず、作業場と休憩スペースの環境の差を意識することが大切です。工場内部が無機質な印象であれば、休憩スペースは温かみのある素材や色使いで構成し、メリハリをつけるとよいでしょう。木目調の内装や温かみのある照明を取り入れるだけでも、印象はぐっと変わります。
座席は、長時間の立ち仕事や重労働で疲れた身体を癒せるよう、ゆったりとした椅子やソファを選びましょう。
医療・介護施設の休憩スペース
医療・介護施設では、24時間体制や交代制勤務が一般的であり、限られた時間で効果的に休息できる環境が特に重要です。
特に仮眠がある職場の場合、睡眠に適した休憩スペースのゾーニングを意識すると良いでしょう。
また、患者やご家族と職員の休憩スペースを明確に分けることも大切です。プライバシーを確保し、業務から完全に離れた時間を過ごせるよう、スタッフ専用エリアとしての位置づけを明確にしましょう。
教育機関・学習施設の休憩スペース
教育機関や学習施設の休憩スペースは、教職員と学生の双方が利用を想定してゾーニングをしていきましょう。
教職員向けの休憩スペースは、静かな環境で気分転換できる場所が理想的です。打ち合わせや教材準備にも使えるよう、ある程度の作業スペースを確保しつつ、リラックスもできる多機能な空間を目指しましょう。
一方、学生向けの休憩スペースは、エネルギッシュな交流の場となることが多いため、耐久性の高い家具や、Wi-Fi環境や充電ステーションなどのデジタル設備などが必要です。
目的別・休憩スペースのレイアウト例
休憩スペースのレイアウトは、その目的や利用形態によって最適な形が異なります。ここでは、代表的なレイアウトパターンとその特徴を紹介します。
カフェ風リフレッシュスペース
カフェのような雰囲気を持つリフレッシュスペースは、気軽に立ち寄れて居心地の良い環境を提供します。コーヒーメーカーやウォーターサーバーを設置し、さまざまなサイズのテーブルと椅子を配置するのが特徴です。
壁や床には温かみのある木目調の素材を使い、照明も柔らかな間接照明を中心にすると、よりカフェらしい雰囲気を演出できます。サイズの異なるテーブルを配置することで、一人での利用から少人数のグループでの利用まで柔軟に対応できます。
カフェ風のリフレッシュスペースは、コミュニケーションを促進しながらもある程度のプライバシーを確保できるため、オフィス環境では最も導入しやすいタイプと言えるでしょう。窓際に配置すれば自然光も取り入れられ、より開放的な空間になります。
ラウンジタイプの休憩スペース
ラウンジタイプの休憩スペースは、主にゆったりとくつろぐことを目的としたレイアウトです。ソファやラウンジチェアを中心に構成し、リラックス効果を高めた空間となります。
低めのテーブルとゆったりしたソファの組み合わせが基本で、雑誌や書籍などを置くことで、休憩時間を有意義に過ごせる環境を提供します。壁面には防音効果のある素材を使用したり、BGMを流したりすることで、よりくつろぎやすい雰囲気を作ることができます。
ラウンジタイプは、長めの休憩時間に適しており、特に精神的なリラックスを重視する場合におすすめです。会議や打ち合わせで疲れた後、次の業務に移る前のリフレッシュにも最適です。
多目的に活用できるフレキシブルなスペース
多目的に活用できるフレキシブルなスペースは、休憩だけでなく、ミーティングやイベント、研修などさまざまな用途に対応できる汎用性の高いレイアウトです。移動や収納が容易な家具を選び、利用目的に応じてレイアウトを変更できる点が特徴です。
フラップテーブル(折りたたみ式)やキャスター付きの椅子、スタッキングチェアなど、移動や収納が簡単な家具を選ぶことがポイントです。壁面にはホワイトボードやモニターを設置すれば、打ち合わせや研修にも活用できます。
集中リラックスのためのプライベート空間
一人で静かにリラックスするためのプライベート空間も、休憩スペースの重要な要素です。パーティションや間仕切りで区切ったブースや、窓際の一人掛けチェアなど、個人が集中してリラックスできる環境を提供します。
プライベート空間のレイアウトでは、視線や音の遮断がポイントです。高いバックパネルを持つソファや、周囲を囲むタイプのチェア、ブース型の一人席などが効果的です。また、遮光カーテンや調光可能な照明を設置することで、より快適な環境を作れます。
休憩スペースにおすすめの設備・家具
快適な休憩スペースを作るためには、適切な設備や家具の選択が重要です。ここでは、休憩スペースに設置すると便利な設備や家具の選び方について解説します。
リフレッシュメント
リフレッシュメントステーションとは、ドリンクや軽食を提供するためのカウンターやコーナーのことです。コーヒーメーカー、ウォーターサーバー、電子レンジ、冷蔵庫などを設置し、従業員が自由に飲み物や軽食を取れるようにします。
リフレッシュメントステーションを設置する際のポイントは、水道設備との距離や電源の確保、そして清掃のしやすさです。シンクを近くに設置できれば理想的ですが、難しい場合は使い捨て食器を用意するなどの工夫も検討しましょう。
快適な座り心地を提供する家具選び
休憩スペースの家具選びでもっとも重要なのが、座る家具の快適さです。長時間のデスクワークの後でも快適に過ごせるよう、人間工学に基づいた設計の椅子やソファを選ぶことをおすすめします。
椅子は用途によって選び分けるとよいでしょう。食事用には座面が硬めで姿勢を保ちやすいチェア、くつろぎ用にはクッション性のあるソファやラウンジチェアが適しています。
ソファは、適度な柔らかさと沈み込みがあるタイプが理想的です。布製のファブリックタイプは肌触りが良く、季節を問わず快適ですが、汚れやすいというデメリットもあります。頻繁に使用する場所では、耐久性と防汚性に優れたビニールレザーなどの素材も検討するとよいでしょう。
テーブルは、使用目的に合わせて高さや大きさを選びます。食事用には標準的な高さ(70cm前後)、リラックス用にはローテーブル(40cm前後)が適しています。また、移動や収納が容易なキャスター付きやフォールディングタイプ(折りたたみ式)も便利です。
グリーン(植物)の効果的な取り入れ方
グリーン(植物)は、休憩スペースに取り入れることで、リラックス効果や空気清浄効果が期待できる要素です。観葉植物や切り花、ハーブなどを効果的に配置することで、より快適な空間を演出できます。
観葉植物選びのポイントは、管理のしやすさと環境への適応力です。日当たりが良くない室内でも育つサンセベリア(トラノオ)、ポトス、モンステラなどは比較的手入れが簡単です。
メンテナンスの負担が心配な場合は、フェイクグリーン(人工観葉植物)という選択肢もあります。最近の高品質なフェイクグリーンは本物と見分けがつきにくく、メンテナンスの手間がかからないというメリットがあります。ただし、空気清浄効果は期待できないため、本物の植物とのバランスを考えるとよいでしょう。
デジタル機器とエンターテイメント
休憩時間をより充実させるためのデジタル機器やエンターテイメント設備も、休憩スペースの魅力を高める要素です。ただし、設置する際は用途や利用ルールを明確にし、本来の休憩目的を損なわないよう注意が必要です。
基本的なインフラとして、Wi-Fi環境や充電ステーションの設置は現代の休憩スペースにとって重要です。個人のスマートフォンやタブレットを利用する従業員が多いため、十分な数のコンセントやUSB充電ポートを確保しておくとよいでしょう。
テレビやモニターを設置する場合は、音量や視聴コンテンツについてのルールを事前に決めておくことが重要です。
まとめ
休憩スペースは、単なる休憩のための場所ではなく、従業員の健康維持や生産性向上、コミュニケーション活性化など、さまざまな効果をもたらす重要な施設です。適切に設計・運用された休憩スペースは、従業員の満足度を高め、採用活動の強化企業の競争力強化にも期待できます。
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