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オフィス移転内装工事の費用・流れ・成功ポイントを解説
2026.01.29


オフィス移転プロジェクトの中でも、特に時間とコスト、そして労力がかかるのが「内装工事」です。新しいオフィスでの働きやすさや生産性、さらには企業ブランディングにまで影響を与えるため、計画的に進めることが成功のカギとなります。
この記事では、オフィス移転の内装工事の業者選定やスケジュール調整を、初めて上司に任された総務担当者が以下の内容をこの記事だけでわかるように解説します。
- オフィス内装工事の主な内容と工事内容(ABC工事)
- オフィス移転時の内装費用の相場
- デザインのポイント
- コストを抑えるコツ
知ることで、コストを抑えられるだけでなく契約後のトラブルになりそうな部分も未然に防げるケースもあるでしょう。
尚、オフィス移転にかかる時間や全体のスケジュール感をまだ把握できていない方は、オフィス移転のスケジュールの目安は?ポイントやおすすめの時期も紹介!!からご覧ください。
目次
オフィス移転の内装工事で最初に知っておくべきこと
オフィス移転の内装工事を計画するにあたり、まず基本的な知識を身につけておくことが重要です。具体的にどのような工事があり、誰の責任と負担で実施されるのかを理解することで、その後のプロセスがスムーズに進みます。
【関連記事】事務所内装工事を成功させるには?費用相場や進め方を解説 | 居抜き物件ならつながるオフィス
内装工事の主な内容と種類
一口に「内装工事」と言っても、その内容は多岐にわたり主に以下の要素で構成されています。これらを理解することで、業者との打ち合わせも円滑になるでしょう。
| 工事の分類 | 具体的な工事内容 |
| 建築工事 | 壁や天井の骨組みを作る軽鉄工事、
その上にボードを貼るボード工事、 壁紙(クロス)や床のタイルカーペットを仕上げる内装仕上げ工事、 間仕切りを設置するパーテーション工事など。 |
| 設備工事 | 電気設備(コンセント、照明)、空調設備(エアコン)、https://www.itoki.jp/resources/column/article/construction-classification/
通信設備(LAN、電話)、消防設備(スプリンクラー、火災報知器)、 給排水設備(給湯室、トイレ) など、オフィス機能に不可欠なインフラを整える工事です。 |
| その他 | 造作家具工事(受付カウンターなど)、
サイン工事(企業ロゴの設置)、 セキュリティ工事(入退室管理システム) など、企業の個性や機能性を高めるための工事です。 |
これらの工事を、移転の目的やコンセプトに合わせて組み合わせていくことになります。
必ず確認すべき「工事区分」とは?
オフィスビルの内装工事を進める上で最も重要なのが「工事区分」の確認です。これは、工事の責任範囲と費用負担者を定めたもので、「A工事」「B工事」「C工事」の3つに分類されます。この区分を事前にビル側と確認しないと、思わぬトラブルや費用の発生につながるため注意が必要です。
| 工事区分 | 工事内容の例 | 施工業者の選定 | 費用負担者 |
| A工事 | 建物の構造躯体、外壁、共用部のエレベーター、トイレ、防災設備など、ビル全体の資産に関わる工事。 | ビルオーナー | ビルオーナー |
| B工事 | テナント専有部内だが、ビル全体の安全性や機能に影響を与える工事。
空調、防水、分電盤、防災設備など。 |
ビルオーナー
(指定業者) |
テナント |
| C工事 | テナントが自らの意思と費用で実施する、専有部内の仕上げに関する工事。
壁紙の変更、パーテーション設置、造作家具など。 |
テナント
(自由選定) |
テナント |
特に注意が必要なのはB工事です。施工業者はビル側が指定しますが、費用はテナントが負担するため、相見積もりが取れず費用が高額になる傾向があります。どこまでがB工事で、どこからがC工事なのかを契約前に必ず「工事区分表」で確認しましょう。
B工事は同じ工事でも、オーナー様や物件によって費用が数倍違う事も珍しくありません。その理由については以下記事からご覧ください。
B工事に相場が無い理由とは?ABC工事の違いと注意点をわかりやすく解説
オフィス移転と内装工事の進め方【7つのステップ】
オフィス移転と内装工事は、多くのタスクが複雑に絡み合うプロジェクトです。計画的に進めるために、全体の流れを7つのステップに分けて解説します。移転完了までの期間は、一般的に6ヶ月〜1年程度が目安となります。
ステップ1:移転の目的と予算を明確にする
まず、「なぜオフィスを移転するのか」という目的を具体化します。人員増加によるスペース確保、コミュニケーション活性化、企業ブランディングの強化、コスト削減など、目的によって内装デザインの方向性が決まります。この段階でプロジェクトチームを立ち上げ、全体の予算とスケジュールの大枠を設定します。
ステップ2:移転先の物件と内装業者を選定する
設定した目的に基づき、移転先の物件を探します。立地や面積だけでなく、前述の工事区分やインフラ容量なども重要な選定基準です。並行して、内装工事を依頼する業者も選定します。オフィスの施工実績が豊富で、デザインの提案力がある会社を複数リストアップし、比較検討するのがおすすめです。
ステップ3:オフィスの内装デザインとレイアウトを設計する
内装業者と協力し、具体的なデザインとレイアウトを設計します。ステップ1で明確にした目的に沿って、「どのような空間で、どのように働きたいか」を形にしていきます。執務スペース、会議室、リフレッシュスペースなどのゾーニングを決め、従業員の動線やコミュニケーションの取りやすさを考慮して詳細を詰めていきます。
【関連記事】オフィスレイアウトは重要!基本の7パターンと成功させるコツを解説 | 居抜き物件ならつながるオフィス
ステップ4:内装業者との契約と工事計画の策定
デザイン、レイアウト、仕様が固まったら、内装業者から詳細な見積もりを取得します。内容を精査し、金額とスケジュールに納得できたら正式に契約を結びます。その後、着工から引き渡しまでの詳細な工事計画を策定します。ビル側への工事申請などもこの段階で行います。
ステップ5:内装工事の開始と移転準備
いよいよ内装工事が始まります。工事期間中は、計画通りに進んでいるか定期的に進捗を確認することが大切です。同時に、現在のオフィスの引越し準備も進めます。通信回線の手続き、各種行政への届け出、取引先への案内状作成など、やるべきことは多岐にわたります。
ステップ6:オフィスの引き渡しと移転作業
工事が完了したら、設計図通りに仕上がっているか、傷や汚れはないかなどを内装業者と共に確認する「竣工検査」を行います。問題がなければ、オフィスの引き渡しを受けます。その後、定めたスケジュールに沿って引越し作業を実施し、新しいオフィスでの業務を開始します。
ステップ7:旧オフィスの原状回復工事
新しいオフィスでの業務が始まったら、旧オフィスを明け渡すための「原状回復工事」を行います。これは、入居時の状態に戻すための工事で、通常はビル指定の業者が行います。この工事が完了し、ビルオーナーの確認が取れれば、オフィス移転プロジェクトは全て完了です。
オフィス内装工事の費用相場はどれくらい?
内装工事にかかる費用は、オフィスの規模やデザインのこだわりによって大きく変動します。
以下関連記事で費用の目安を把握するための相場と内訳について解説していますので、ご興味のある方はご覧ください。
【関連記事】【最新版】オフィス内装の費用相場は?坪単価や内訳、コストを抑える方法を解説 | 居抜き物件ならつながるオフィス
物件の種類(居抜き・通常オフィス)による費用の違い
オフィス内装工事の費用は、一般的に「坪単価」と「状態(居抜き・通常オフィス)」で表されます。
小規模オフィスは面積が小さい分、坪単価は割高になる傾向があります。逆に大規模オフィスはスケールメリットが働き、坪単価は割安になることがありますが、共用部やデザインにこだわる場合は高額になります。
また、物件の状態によっても費用は大きく変わります。
- 通常オフィス物件:建物の骨組みだけの状態で、壁、床、天井などを一から作る必要があります。デザインの自由度が高い反面工事費用は高額になり、坪単価の目安は20万円〜40万円です。
- 居抜き物件:前のテナントの内装や設備が残った状態の物件です。これらを活用できるため、内装工事費用を大幅に抑えることが可能です。坪単価の目安は10万円〜35万円ですが、どこまで既存のものを利用できるかによって単価は変動します。
内装工事の費用内訳
内装工事費用は、大きく「設計費」と「工事費」に分かれます。工事費はさらに細かく分類され、主に以下のような項目があります。見積書を確認する際の参考にしてください。
| 項目 | 内容 |
| 仮設工事費 | 養生や現場事務所の設置、清掃など、工事全体に関わる準備や後片付けの費用。 |
| 軽鉄・ボード工事費 | 壁や天井の下地を作るための費用。 |
| 内装仕上げ工事費 | クロス貼り、床仕上げ、塗装など、内装の見た目を仕上げる工事費用。 |
| 建具工事費 | ドアや窓などを設置する費用。 |
| 設備工事費 | 電気、空調、防災、通信などのインフラ設備に関する工事費用。 |
オフィス内装の費用を抑える4つのコツ
オフィス移転は多額の費用がかかるため、内装工事のコストはできるだけ抑えたいものです。ここでは、品質を落とさずに費用を賢く削減するための4つのコツを紹介します。
予算をかける箇所の優先順位を決める
全てのスペースに最高級の素材やデザインを採り入れると、費用は青天井になります。そこで重要なのが、優先順位付けです。例えば、「来客が利用するエントランスや会議室はデザイン性を重視し、バックオフィスは機能性重視で標準的な仕様にする」といったように、お金をかける場所とそうでない場所を明確にすることで、効果的なコスト削減が可能です。
居抜き物件を選択肢に入れる
前述の通り、居抜き物件は内装工事の初期費用を大幅に削減できる可能性があります。自社の希望するレイアウトやコンセプトに近い内装が残っている物件であれば、最小限の改修で理想のオフィスを実現できます。ただし、設備の老朽化や不要な設備の撤去費用なども考慮する必要があるため、物件選びは慎重に行いましょう。
100坪~150未満ほどのオフィスであれば、1からオフィス内装を入れるよりも金額感が大きく変わることもあります。以下のシミュレーション例もご覧ください。
オフィス移転にかかる坪単価はいくら?100坪に拡大した時の概算事例を元に解説
余裕を持ったスケジュールを組む
短い工期で工事を終わらせようとすると、作業員の人数を増やす必要があったり、夜間や休日の割増料金が発生したりと、人件費がかさむ原因になります。オフィス移転の計画は、できるだけ余裕を持ったスケジュールを組むことが、結果的にコスト削減に繋がります。
シンプルなデザインを検討する
曲線的な壁や特殊な造作、複雑な照明計画など、凝ったデザインは材料費も施工費も高くなります。特にこだわりたい部分以外は、直線的でシンプルなデザインを基本とすることで、工事の効率が上がり費用を抑えることができます。シンプルな中にも、コーポレートカラーを効果的に使ったり、家具でアクセントをつけたりすることで、十分におしゃれな空間を作ることは可能です。
成功するオフィス内装デザインのポイント
新しいオフィスを単なる「働く場所」で終わらせず、企業の成長に貢献する空間にするためには、デザインの段階で押さえておくべきポイントがあります。
企業のコンセプトを明確に反映させる
オフィスは、企業文化やビジョンを社内外に発信する重要なメディアです。例えば、「オープンなコミュニケーション」がコンセプトなら、壁の少ない開放的なレイアウトに。「信頼と誠実さ」を伝えたいなら、重厚感のある素材や落ち着いた色調をエントランスに採り入れるなど、デザインを通して企業のメッセージを伝えましょう。
スペースごとの役割を意識する
オフィス内の各スペースには、それぞれ異なる役割があります。
- 執務スペース:集中とコミュニケーションのバランスが重要です。部署ごとの連携のしやすさや、Web会議用の個室ブースの設置などを検討します。
- 会議室:利用人数や目的に合わせて、大小さまざまなタイプの部屋を用意すると効率的です。機密性の高い会議用、カジュアルな打ち合わせ用など、用途を明確にします。
- リフレッシュスペース:執務スペースとは雰囲気を変え、リラックスできる空間にすることが大切です。カフェのようなカウンターを設置したり、眺めの良い窓際にソファを置いたりと、偶発的なコミュニケーションが生まれるような工夫も有効です。
従業員の意見を取り入れる
実際にそのオフィスで働くのは従業員です。「収納が少ない」「会議室が足りない」「休憩スペースが使いにくい」といった現在のオフィスの課題は、現場の従業員が最もよく知っています。アンケートやワークショップを実施し、従業員の意見を設計に反映させることで、満足度が高く、本当に働きやすいオフィスが実現します。
おしゃれで機能的なオフィス内装の事例紹介
最後に、デザインのヒントとなるようなオフィス内装の事例をコンセプト別に紹介します。自社の目指すオフィス像を具体的にイメージする参考にしてください。
遊び心と愛着を育む「積木」オフィス
株式会社コドモンの本社オフィスでは、「大人が遊ぶ積木」をコンセプトに、手触り感と愛着を感じられる空間を実現しています。450mmモジュールで構成された積木状ユニットの什器をオフィス全体に配置し、自由で遊び心のある雰囲気を醸成しました。
素材にはOSB合板を採用し、温かみのある質感が特徴です。執務エリアは部署ごとに集まる「HOME」と、縁側のように繋がる開かれたスペース「ENN」で構成され、グループアドレスとフリーアドレス席を融合させています。来客動線はオープンスペースを一周するよう設計され、カフェ、芝生エリア、配信スタジオなど多機能エリアを体感できる工夫が施されています。
【関連記事】株式会社コドモン |ワークプレイス構築のフロンティアコンサルティング
多様な働き方を支えるABWオフィス
栗田工業株式会社の本社では、5つの異なるワークシーンに対応したABWオフィスへとリニューアルされました。各エリアはShare seat、Discussion、Solo work、Innovationなどに分類され、それぞれにテーマカラーと専用グラフィックが設定されています。
壁や間仕切りを最小限に抑えることで、見通しの良いオープンな空間を実現しました。デザイン面では、水や自然環境を連想させる要素を随所に取り入れ、会議室のガラス面には水の流れをイメージしたオリジナルグラフィックシートを施しています。ガラス作家が手掛けた水滴モチーフや、イノベーションエリアに配置された植栽が、リラックスしたコミュニケーションを促進する役割を果たしています。
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喫茶文化が育む温かなワークプレイス
名鉄都市開発株式会社の東京オフィスは、「喫茶文化を感じる、話しやすい空間」をコンセプトに設計されています。木目やタイルカーペットによる温かみ、陰影のある照明による柔らかな空間演出が特徴です。エントランスの奥にラウンジを配置し、来訪者を自然に誘導する構成になっています。
リフレッシュエリアには、こもり感のあるソファ席や顔を合わせやすいビッグテーブルなど、多様なシーティングが用意されています。名古屋鉄道や地域の地産材にちなんだアート、常滑焼の鉢植え、犬山城瓦をイメージした円瓦タイル、三種の美濃和紙パネルなど、地域性を表現した素材を随所に使用することで、名古屋らしさを感じられる空間になっています。
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まとめ
オフィス移転における内装工事は、単に物理的な場所を移動するだけでなく、企業の働き方や文化そのものを変革する大きなチャンスです。本記事で解説した流れや費用、デザインのポイントを参考に、しっかりと計画を立てることで、プロジェクトを成功に導くことができます。
この記事が、貴社のオフィス移転プロジェクトを成功させる一助となれば幸いです。
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