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オフィスの原状回復工事の相場は?費用が高くなる要因とコストダウンの方法
2025.08.29



オフィスを退去する際は、オフィスを借りたときの状態に戻す「原状回復工事」が必要です。しかし、原状回復にはどの程度の費用がかかるのか分からず、不安に感じる方もいるでしょう。条件によっては原状回復費用が高額になり、退去時に多大なコストがかかるケースもあります。トラブルを防ぐためにも、原状回復の基礎知識や相場を把握しておくことが欠かせません。本記事では、オフィスの原状回復工事の相場や費用が高くなる要因、コストダウンの方法を詳しく解説します。
目次
オフィスの原状回復とは
オフィス退去時には、原則として「原状回復義務」が発生します。原状回復とは、オフィスを退去する際に入居時の状態に戻すことです。賃貸借契約書には原状回復についての詳細が記載されており、原状回復工事は契約内容に基づいて行われます。なお、原状回復工事にかかる費用は、原則として借主が負担することが民法により定められています。オフィスの退去作業をスムーズに進めるためにも、あらかじめ賃貸借契約書で詳細を確認しておくことが大切です。
オフィスの原状回復の範囲
オフィスの原状回復の範囲は、賃貸借契約書に記載されています。一般住宅やマンションの賃貸契約の場合は、通常使用の範囲を超えた損傷について借主側に原状回復義務が発生しますが、オフィス物件では原則として借主であるテナント側にすべての原状回復義務が発生します。
契約内容によって異なる部分もありますが、一般的にオフィスの原状回復では以下のような作業が必要になります。
・床のタイル、カーペットの張り替え
・壁紙の張り替え
・天井の張り替えや塗装
・照明器具の交換
・家具や備品の撤去
・パーテーションの撤去
・電話回線やLAN配線の撤去
・増設、造作物の撤去
・エアコンのクリーニング
このように原状回復工事では、使用したものは新しく交換・塗装などを行い、入居以降に設置したものは撤去する必要があります。原状回復工事の範囲が広いほど、作業内容も増えるため、費用は高くなりやすいです。
オフィスの原状回復工事の相場
原状回復工事にかかる費用の相場は、オフィスの規模や状態などによって異なります。オフィスの規模別の一般的な坪単価の費用相場は、以下の通りです。
・小規模オフィス(50坪未満):3~7万円/坪
・中規模オフィス(50~100坪):6~10万円/坪
・大規模オフィス(100~300坪):8~15万円/坪
上記はあくまで目安であり、原状回復の内容などによっては、原状回復費用は数千万円と高額になるケースもあります。物件によって費用相場に差が出るため、実際の費用は見積もりを取らないと分かりませんが、相場の目安を把握しておくことで安心して準備を進められるでしょう。
原状回復費用の相場に影響する要因
オフィスの原状回復費用の相場はさまざまな要因によって影響されるため、条件によっては相場より高くなるケースも多いです。ここでは、原状回復費用の相場に影響する要因を7つ紹介します。提示された金額が妥当かどうかを確認するための参考にしてみてください。
オフィスの広さ
原状回復費用の概算は「坪単価」で試算されますが、実際には床・壁の面積や照明個数などに応じて算出され、見積もりが作成されます。オフィス面積が大きくなるほど工事範囲も広くなるので、費用は高額になりやすいです。また、規模が大きくなるほど工事が複雑になり、必要な人員や資材の量が増えます。そのため、ハイグレードなオフィスの場合は坪単価が跳ね上がり、費用が高騰しやすくなる傾向にあります。
ビルのグレード
ビルのグレードは、原状回復費用の相場に大きく影響します。高級ビルや新築のビルの場合、原状回復の基準が厳しく、大手ゼネコン企業による施工になるため、原状回復費用は相場より高くなる傾向があります。工事期間が長く、時間がかかる点にも注意が必要です。さらに、ビルのグレードが高い場合、入退館システムなどのシステム変更の手間もかかるため、追加で費用が発生するケースもあります。
工事に使用する資材価格や処分費
原状回復工事で使用する資材の価格、撤去したパーテーションや電線などの処分費は変動する可能性があります。また、地域や立地によって輸送費や工賃が異なるケースも多いです。資材価格や処分費が高い時期・輸送費や工賃が高い地域の場合、原状回復費用は相場よりも高くなる傾向があります。
内装の仕様
木材を多用した壁、ガラスの間仕切り、造作家具を設置しているなど特殊な内装工事を行っていた場合、それらの撤去や原状回復には高額な費用がかかるため、相場は通常よりも高めです。また、近年ではスケルトン天井が流行っており、その場合は天井の清掃や天井版の設置が必要になるので、費用は割高になります。一方、特殊な内装工事を行っておらず、もともとのオフィス内装が一般的な白壁のような標準仕様であれば、原状回復が容易なので費用を抑えられます。
使用年数と経年劣化
一般住宅やマンションの場合、経年劣化や通常消耗は借主側に原状回復義務が発生しないケースがほとんどですが、オフィス物件は経年劣化や通常消耗も含めてすべて入居テナント側の負担で原状回復する賃貸契約になっているケースが多いです。オフィスの使用年数が長いほど経年劣化は進むため、交換や修繕が必要な範囲が増え、原状回復費用が高くなりやすくなります。なお、オフィス物件は内装工事などを行うので、原則として床・壁・天井の張り替え工事が発生します。
工事の時期・曜日・時間帯
原状回復工事を行う時期や曜日、時間帯によっても費用が割高になるケースがあります。たとえば、年度末の3月頃や年末の12月頃などの繁忙期に工事を行う場合や、夜間・休日対応が必要なケースでは、人件費が割高になるなどの理由から、閑散期や平日日中の工事に比べて費用相場が高くなりやすいです。また、ビルの規則により工事可能な曜日や時間帯が制限される場合、工期の延長を招く可能性があり、費用増加の要因になることもあります。
業者の指定の有無
貸主が原状回復工事を実施する業者を指定しているケースは非常に多いです。業者が指定されていると価格競争が起こらず、費用の交渉も難しいため、相場よりも高い費用になってしまう可能性があります。工事業者の指定の有無については賃貸借契約書に明記されているため、確認しておきましょう。
セットアップオフィスの場合
セットアップオフィスは内装付きで貸し出されていることが多く、物件によっては原状回復の範囲が限定されたり、クリーニングで済んだりする場合もあり、費用が安くなるケースがあります。ただし、、通常のオフィス物件より賃料が割高になるケースもある点に注意が必要です。
原状回復工事の進め方・スケジュール
スムーズにオフィス退去・移転を進めるためにも、原状回復工事の具体的な進め方を理解して、やるべきタスクを把握しておきましょう。一般的に、オフィスの原状回復工事は以下の5ステップで実施されます。
Step1.賃貸借契約書を確認する
オフィス退去を検討・決定する段階で、賃貸借契約書を確認しておきましょう。賃貸借契約書には原状回復の範囲や条件などの詳細が記載されており、原状回復工事は契約内容に基づいて実施されます。トラブルを防ぐためにも、原状回復の範囲や費用負担の取り決めなどを把握しておくことが大切です。中には、原状回復の範囲が広く設定されている場合や特殊な条件が設けられている場合もあるため注意しましょう。不明点や疑問があれば、早めに貸主や管理会社に確認するようにしてください。
Step2.工事業者に問い合わせる
賃貸借契約書を確認し、原状回復の詳細を把握したら、指定の工事業者へ問い合わせましょう。工事業者が指定されていない場合は、自社で選定する必要があります。なお、オフィスの規模や時期によっては工事期間が長引く可能性があるので、余裕を持って退去・移転の手続きを進めるためにも早めに問い合わせておくと安心です。
Step3.現地調査・見積もりをもらう
問い合わせをした工事業者にオフィスの現地調査を実施してもらいましょう。現地調査を行うことで具体的な工事内容や工期などを把握でき、より正確な見積もりを出してもらいやすくなります。業者が調査を行いやすいように、オフィスの状態や間取りなどの情報をまとめておくと良いでしょう。
現地調査を行わずに電話やメールのやりとりだけで契約してしまった場合、あとから追加費用が発生する可能性があるので注意が必要です。また、トラブルを避けるためにも、賃貸借契約書や原状回復のガイドラインを参考に、工事業者と工事範囲の擦り合わせを行うことが重要です。
Step4.原状回復工事の発注・着工
工事範囲や費用、スケジュールなどを確認して、問題がなければ正式に原状回復工事の発注を行いましょう。新オフィスへと移転して、テナント内を空けた時点で原状回復工事がスタートします。なお、原状回復工事は契約期間中に完成させる必要があるため、「引き渡しの時期までに問題なく工事を完了できるか」「余裕のあるスケジュールが組まれているか」を念入りに確認することが大切です。
<h3>Step5.原状回復工事の完了後に引き渡しを行う
原状回復工事が完了したら、貸主や管理会社が立ち会いのうえで最終チェックを行いましょう。「工事に不足部分がないか」「工事内容に相違はないか」などを確認し、問題がなければ引き渡しを行います。どのように引き渡しを行うかは物件によって異なるため、事前に確認することが大切です。
原状回復工事を行う際のポイント
原状回復工事は契約内容やスケジュールに沿って実施されますが、予期せぬトラブルが発生する可能性もあります。場合によっては、通常よりも高い費用を支払わなければならなくなるケースもあるかもしれません。このようなリスクを避けるためにも、以下の2つのポイントに注意しましょう。
早めに見積もりをもらう
オフィスの原状回復工事にかかる期間はおよそ数週間~1ヶ月程度が目安となり、オフィスの規模や内装などによっては1ヶ月以上かかる場合もあります。工事可能な時間帯や曜日に制約があるビルの場合、原状回復工事が予定通りに進まず、スケジュールに遅れが発生する可能性もあります。契約期間内に原状回復工事を完了できず、引き渡しが遅れた場合、追加の費用や遅延損害金を請求されるリスクもあるので注意が必要です。
このようなリスクを避けるためにも、オフィスの解約通知を行ったら、早めに工事業者に問い合わせをして、原状回復工事の見積もりをもらうのがおすすめです。契約期間中に引き渡しができるように、逆算して余裕のあるスケジュールを立てましょう。
原状回復工事の見積もりの内容を確認する
工事業者が指定されている場合、複数の業者から見積もりを取ることができないため、費用が高額になる可能性があります。中には不要な工事が含まれていたりなど、費用がかさんでいるケースもあるので注意が必要です。このようなリスクを避けるためにも、以下のポイントを踏まえ、原状回復工事の見積もりの内容を念入りに確認しましょう。
・不要な工事が含まれていないか
・入居時よりもグレードの高い資材や設備が導入されていないか
・実際の工事面積と見積もりに記載されている面積に違いはないか
・各項目の単位や数量が適正か
原状回復工事の見積もりは、基本的に賃貸借契約書に基づいて作成されます。よって、賃貸借契約書と見積もりに記載されている工事内容に違いがないかを照らし合わせることも大切です。しかし、業者によっては「○○工事一式」「諸経費」というように曖昧な内容を記載しているケースもあるため、詳細な工事内容を記載してもらう必要があります。高額な項目や不明瞭な記載がある場合は、業者に詳細な説明を求めるようにしてください。
オフィスの原状回復費用を安くする方法
先述したように、オフィスの原状回復費用はさまざまな要因によって影響されるため、相場よりも高くなるケースもゼロではありません。しかし、工夫次第で費用を抑えられる可能性もあります。ここでは、オフィスの原状回復費用を安くする方法を3つ紹介します。
原状回復の範囲を貸主と交渉する
原状回復の範囲を貸主と交渉することで、費用を安く抑えられる可能性があります。入居期間が短かったり、オフィスの利用人数が少なかったりした場合は、室内の汚れが軽微である可能性もあります。このようなケースでは、「原状回復工事が本当に必要なのか」「クリーニングで対応できる部分はないか」「工事の範囲を最小限にできないか」など、貸主に一度相談し、交渉してみるのも有効です。ただし、基本的に原状回復の範囲は契約内容に従う必要があるため、交渉に失敗する可能性があることも覚えておきましょう。
複数の業者から見積もりを取る
工事業者の指定がない場合、自社で工事業者を選定することになります。その際は、複数の業者から見積もりを取ることで原状回復費用を抑えられる可能性があります。たとえば、見積もりの依頼を1社のみにした場合、高額な費用を提示されたとしても、相場が分からないために金額の妥当性を判断するのは難しいでしょう。複数社から見積もりを取れば、原状回復費用の相場を把握できるので、金額の妥当性も判断しやすくなります。他社の金額を把握することで、業者との交渉も有利に進めやすくなります。なお、見積もりを取る際は3~4社程度を目安に依頼し、各業者の見積もりを公平に比較できるように、工事範囲や使う材料などの条件を明確に指定することが重要です。
居抜き退去を検討する
居抜き退去を検討するのも、原状回復費用を抑える有効な手段です。居抜き退去とは、内装や設備などをそのまま後継テナントに引き継ぐ退去方法です。原状回復工事を実施する必要がないため、原状回復費用や家具の処分にかかる費用を削減でき、大幅なコストカットが実現可能になります。ただし、居抜き退去をするには貸主の承認が必要です。貸主の承認を得られたとしても、後継テナントが見つからなければ居抜き退去ができないため、限られたスケジュールで原状回復工事を手配しなければなりません。居抜き退去を検討するなら、早めに準備を進めることが重要です。
原状回復費用のコストダウンは居抜き退去の実績が豊富な業者に依頼するのがおすすめ
退去時の原状回復費用を安くする方法をいくつか紹介しましたが、大幅にコストダウンするなら居抜き退去をするのがもっとも効果的です。居抜き退去をするには、貸主への打診、後継テナント探し、後継テナントに引き継ぐ家具や設備の選別など、さまざまな手続きや準備が必要になります。居抜き退去を成功させるには、余裕のあるスケジュールを立てるとともに、居抜き退去の実績が豊富な業者のサポートが欠かせません。
居抜き退去の実績がある業者に依頼すれば、各種調整や交渉、後継テナント探しなどのサポートを受けられるため、スムーズに居抜き退去を進めることができます。十分な時間を確保するためにも、居抜き退去を検討する際は早めに業者に相談すると良いでしょう。
まとめ
オフィスの原状回復工事にかかる費用相場は、オフィスの規模や内装などによって異なり、オフィス面積が広いほど高くなる傾向にあります。ほかにも、ビルのグレードや資材価格、工事の時期、指定業者の有無などによって、費用相場は変動します。原状回復費用を抑えるには、貸主への交渉や相見積もりの実施、居抜き退去などの方法が有効です。居抜き退去を検討する際は、実績が豊富な業者に依頼しましょう。
つながるオフィスでは、オフィス退去時の原状回復費用のコストダウンをお手伝いします。居抜き退去をご希望の場合、オーナー様への交渉や後継テナント探し、契約・オフィス引き渡しまでをサポートいたします。また、移転時は物件紹介からデザインまで一気通貫で実施いたしますので、スムーズな退去・移転を実現できます。居抜き退去をご検討の方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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