オフィス移転事例
オフィス空調の適正温度とは?快適性と省エネを両立する方法を解説
2026.02.23


オフィスで働く従業員から「暑くて集中できない」「寒すぎて体調を崩しそう」といった相反する意見が寄せられ、空調の設定に頭を抱えている方は多いのではないでしょうか。総務担当者や経営者にとって、全員が快適に過ごせる環境を作りつつ、高騰する電気代も抑えなければならないという課題は、非常に難しいパズルを解くようなものです。 この記事では、オフィス空調における適切な温度設定の基準から、温度ムラをなくす具体的な工夫、そして省エネにつながる運用方法までを詳しく解説します。読み終わる頃には、自社のオフィス環境を改善するための具体的なアクションプランが見えてくるはずです。
目次
オフィスの空調温度は何度が適切か?
オフィスの空調管理において、最も基本的でありながら判断が難しいのが「設定温度」です。個人の体感には差があるため、全員が納得する完璧な温度を見つけることは困難ですが、基準となる数値を知ることで運用の方針を定めることができます。ここでは、公的な推奨基準と体感温度を調整するためのポイントについて解説します。
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環境省が推奨する室温28度を目安にする
空調設定の基本として、まずは環境省が推奨している「室温28度」を目安に運用することをおすすめします。これは「クールビズ」の一環として提唱されているもので、冷房時の室温を28度に保つことで、健康的な室内環境と省エネルギーの両立を目指すものです。ただし、ここで注意が必要なのは、エアコンの「リモコン設定温度」を28度にするのではなく、実際の「室内温度」を28度にするという点です。建物の断熱性や日当たり、人の密度によって、設定温度と実測温度には乖離が生じるため、デスク付近に温度計を設置して実測値を確認しながら調整することが重要です。
湿度を管理して体感温度を下げる
温度計の数値が適切であっても「暑い」と感じる場合、その原因の多くは湿度にあります。人間は湿度が上がると汗が蒸発しにくくなり、体温調整がスムーズにいかなくなるため、実際の気温よりも暑く感じてしまいます。一般的に、湿度が10%下がると体感温度は1度下がると言われています。夏場のオフィスでは、冷房運転だけでなく「除湿(ドライ)運転」を有効活用することで、設定温度を過度に下げなくても快適な涼しさを感じられるようになります。不快指数を下げるための湿度管理は、温度設定と同じくらい重要な要素です。
なぜ場所によって温度ムラが発生するのか?
「窓際の席は暑いのに、空調の真下の席は凍えるほど寒い」といった温度ムラは、オフィス空調における最大の悩みの一つです。このような偏りが生じてしまう原因を正しく理解しなければ、根本的な解決はできません。ここでは、物理的な環境要因と設備的な要因の2つの側面から、温度ムラの発生原因を解説します。
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オフィスのレイアウトが気流を遮っている
温度ムラの主な原因として、背の高いパーティションやキャビネットなどのオフィス家具が、空調の風を遮っているケースが挙げられます。天井から吹き出された冷気や暖気は、障害物に当たるとそこで滞留してしまい、部屋の隅々まで行き渡らなくなります。特に、近年のオフィスでは個人の集中スペースを確保するために間仕切りを増やす傾向がありますが、これが空調効率を悪化させている可能性があります。また、OA機器やサーバーなどの熱を発する機器が密集している場所では、局所的に温度が高くなり、空調の効果を打ち消してしまうこともあります。
空調機器の性能やセンサーが劣化している
空調機器自体の経年劣化や不具合も、温度制御がうまくいかない大きな要因です。業務用エアコンには室温を検知するセンサーが内蔵されていますが、フィルターが目詰まりしていたり、センサー部分に埃が溜まっていたりすると、正しい室温を認識できなくなります。その結果、エアコンは「まだ冷えていない」と判断して過剰に冷気を出し続けたり、逆にすぐに運転を弱めてしまったりします。また、設置から10年以上経過している古い機種の場合、気流を制御するフラップの動きが悪くなっていたり、モーターの能力が低下していたりすることで、設計通りの空調能力を発揮できなくなっていることも考えられます。
従業員の不満を解消する具体的な対策は?
原因が特定できたとしても、すぐにオフィスのレイアウトを大幅に変えたり、高額な空調設備を買い替えたりすることは難しいのが現実です。そこで、今ある設備や環境の中で、比較的すぐに取り組める改善策を実行することが求められます。ここでは、コストを抑えながら効果的に快適性を向上させるための具体的なアクションを紹介します。
サーキュレーターで空気を循環させる
即効性が高く、コストパフォーマンスに優れた対策は、サーキュレーターや扇風機を活用して空気を強制的に循環させることです。冷たい空気は下に溜まり、暖かい空気は上に溜まる性質があるため、この温度層を撹拌することで室内の温度を均一化できます。具体的には、エアコンの対角線上にサーキュレーターを設置し、天井に向けて風を送ることで、部屋全体の気流を動かすことができます。これにより、空調設定温度を極端に下げなくても涼しさを感じやすくなり、冷えすぎの場所と暑い場所の差を埋めることが可能になります。
| 設置場所 | 風向きの工夫 | 期待できる効果 |
| エアコンの対角線上 | 天井に向ける | 部屋全体の空気を撹拌し温度ムラを解消 |
| パーティションの死角 | 滞留箇所へ向ける | 局所的な熱だまりを解消し空気を流す |
| 窓際・足元 | 壁に沿わせる | コールドドラフト(冷気の下降)を防ぐ |
座席配置を見直して直撃風を避ける
物理的に風が直撃する席にいる従業員にとって、空調は健康被害をもたらす脅威となります。このような場合は、座席のレイアウト自体を見直すことが最も確実な解決策です。空調の吹き出し口の真下や、風の通り道となるライン上には、人が長時間座るデスクを配置しないように調整します。もし座席移動が困難な場合は、エアコンの吹き出し口に取り付ける「風よけルーバー」などの後付け部材を活用し、物理的に風向きを変える対策も有効です。風を直接体に当てない工夫をするだけで、体感的な不快感は劇的に改善されます。
空調にかかる電気代を削減する方法は?
オフィス運営において、空調費はエネルギーコストの大きな割合を占めています。快適性を維持しながらコストを削減することは、経営的な観点からも非常に重要です。無理な節約で従業員のパフォーマンスを落とすことなく、効率的に電気代を抑えるためのメンテナンスと運用のコツを解説します。
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フィルター清掃を定期的に実施する
最も基本的かつ効果が高い省エネ対策は、エアコンフィルターの定期的な清掃です。フィルターに埃が詰まると、空気を吸い込む際に余計な負荷がかかり、冷暖房効率が著しく低下します。環境省のデータなどによると、フィルター清掃を2週間に1回程度行うことで、冷房時で約4%、暖房時で約6%の消費電力を削減できるとされています。専門業者による内部洗浄を年に1回実施するだけでなく、日常的に社員や清掃スタッフがフィルターの埃を取り除く習慣をつけることで、機器の寿命を延ばしつつ、無駄な電気代をカットすることができます。
設定温度を1度緩和して消費電力を抑える
エアコンの設定温度をわずかに見直すだけでも、大きな省エネ効果が得られます。一般的に、冷房の設定温度を1度上げると約13%、暖房の設定温度を1度下げると約10%の消費電力が削減できると言われています。無理に我慢をする必要はありませんが、前述したサーキュレーターの併用や、ブラインドで日射を遮るなどの工夫と組み合わせることで、設定温度を緩和しても快適さを保つことは十分可能です。全社的なルールとして「過剰な設定にしない」という意識を共有し、季節に応じた適切な温度管理を徹底することが、長期的なコスト削減につながります。
新たに空調を導入する際の選び方は?
オフィスの移転や設備の老朽化に伴って空調を新調する場合は、長期的な視点での機種選定が重要になります。導入時の選択を誤ると、後々のランニングコスト増や快適性の低下を招くことになります。ここでは、オフィスに最適な空調設備を選ぶために押さえておくべき基準について解説します。
広さと熱負荷に応じた馬力を選定する
業務用エアコンを選ぶ際に最も重要な指標となるのが「馬力(能力)」です。単に部屋の広さ(平米数)だけで選ぶのではなく、その空間で何が行われるか、どのくらいの熱が発生するかという「熱負荷」を考慮する必要があります。例えば、PCやサーバーが多く稼働している部屋や、南向きで窓が大きい部屋、飲食を伴う店舗兼オフィスなどは、通常のオフィスよりも高い冷房能力が求められます。能力不足の機種を選ぶと、常にフルパワーで運転し続けることになり、電気代が高くなるだけでなく故障のリスクも高まります。余裕を持った馬力を選定することが、結果として省エネと快適性につながります。
天井カセット型を選び気流を分散させる
オフィスの形状にもよりますが、一般的に最も推奨されるのは「天井カセット型(4方向吹き出し)」です。天井の中央に設置することで、4つの方向へ均等に気流を送ることができ、部屋全体の温度ムラを最小限に抑えることができます。最近の機種では、人感センサーが搭載されており、人がいる場所を検知して風向きを自動調整したり、不在時に自動でセーブ運転を行ったりする高機能なタイプも登場しています。壁掛け型や床置き型に比べて設置工事は大掛かりになりますが、気流制御の優秀さと見た目のすっきり感から、多くのオフィスで採用されている標準的な選択肢です。
まとめ
本記事では、オフィス空調の快適性と省エネを両立させるためのポイントについて解説しました。以下に要点を整理します。
●室温の目安と管理
環境省推奨の28度(室温)を基準としつつ、湿度管理やサーキュレーターの併用で体感温度を調整することが重要です。
●温度ムラの解消
パーティションなどの障害物を考慮したレイアウト変更や、風よけルーバーの活用で、直撃風や気流の滞留を防ぎます。
●機器選定とメンテナンス
広さだけでなく熱負荷(PCの台数や日当たり)に応じた馬力を選定し、定期的なフィルター清掃で効率を維持します。
従業員からの「暑い・寒い」という声は、単なるわがままではなく、業務効率や健康に関わる重要なサインです。今回紹介した対策を一つずつ実践することで、コストを抑えながらも全員が働きやすい「快適なオフィス環境」を実現してください。
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