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事務所設計で失敗しないための全手順!費用相場から業者選びまで徹底解説
2025.11.12


オフィスの座席をどのように決めるかという問題は、多くの企業にとって悩みの種です。座席の配置ひとつで、社員の生産性や満足度、さらには社内のコミュニケーションのあり方まで大きく変わる可能性があります。本記事では、会社の座席の決め方について、基本的な考え方から具体的な方法、そして近年注目されているフリーアドレスの導入手順まで、幅広く解説します。
目次
会社の座席配置が重要視される3つの理由
なぜ、「座席」の決め方がこれほどまでに重要視されるのでしょうか。その理由は、座席配置がオフィス環境の根幹をなし、日々の業務や社員の心理に深く関わっているからです。ここでは、座席配置が重要視される3つの主要な理由を解説します。
業務効率に大きく影響する
座席の配置は、業務効率に直接的な影響を及ぼします。例えば、連携が頻繁に必要な部署のメンバーが近くに座ることで、報告・連絡・相談がスムーズになり、意思決定のスピードが向上します。逆に、関連性の低い部署の間に位置していたり、頻繁にやり取りする相手が遠くにいたりすると、移動や連絡に無駄な時間が生じ、生産性の低下につながりかねません。
社内コミュニケーションを左右する
座席配置は、社員同士のコミュニケーションの量と質を大きく左右します。固定席で部署ごとに固まるレイアウトは、部署内の一体感を高める一方で、他部署との交流を限定的にしてしまう傾向があります。偶然の出会いや雑談から新しいアイデアが生まれる「セレンディピティ」を促進するためには、部署の垣根を越えた交流が生まれるような座席の工夫が求められます。
社員の満足度や定着率に関わる
社員が日々過ごす座席環境は、働きがいや満足度に直結します。窓際で開放感がある、あるいは静かで集中しやすいといった個人の好みに合わない環境が続くと、ストレスの原因となり得ます。また、一部の社員だけが良い席に固定されているといった不公平感は、組織への不満につながることもあります。社員一人ひとりが快適に働ける環境を整えることは、エンゲージメントを高め、優秀な人材の定着にも貢献します。
オフィスにおける代表的な座席の種類
会社の座席の決め方を考える前に、まずどのような選択肢があるのかを知っておきましょう。ここでは、オフィスにおける代表的な3つの座席の種類と、それぞれの特徴について解説します。
従来型の「固定席」
固定席は、社員一人ひとりに特定の座席を割り当てる、最も伝統的なスタイルです。自分のデスクがあるため、書類や私物を管理しやすく、パーソナルスペースを確保できる安心感があります。特に、経理や総務のように紙の書類を多く扱う部署や、専門的な機材を必要とする職種に適しています。
席を固定しない「フリーアドレス」
フリーアドレスは、固定席を設けず、社員が出社するたびに空いている席を自由に選んで仕事をするスタイルです。部署の垣根を越えたコミュニケーションが生まれやすく、オフィスの省スペース化にもつながります。在宅勤務や外出が多い営業職などがいる企業で導入しやすい働き方です。
活動に合わせて場所を選ぶ「ABW」
ABW(Activity Based Working)は、フリーアドレスからさらに進んだ考え方で、「活動内容に合わせて最適な場所を選ぶ」働き方です。集中したい時は個室ブース、チームで議論する時はソファ席、Web会議をする時は専用ブースなど、オフィス内に多様な機能を持つエリアを用意し、社員が自律的に働く場所を選択します。
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【パターン別】座席の決め方の具体的な方法
座席の種類を決めたら、次に具体的な割り振り方を検討します。特に固定席の場合、誰がどこに座るかが非常に重要です。ここでは、代表的な3つの決め方を紹介します。
会社や上長が決定する方法
最も一般的なのが、業務効率や組織の連携を考慮して、会社や部署の管理職が座席を決定する方法です。関連部署を近くに配置したり、新入社員を教育担当の先輩の隣に座らせたりと、戦略的な配置が可能です。ただし、決定プロセスが不透明だと、社員から不満が出る可能性もあるため、配置の意図を丁寧に説明することが重要です。
【関連記事】オフィスレイアウトで管理職の配置はどこが正解?配置パターンやコツを解説! | 居抜き物件ならつながるオフィス
くじ引きやローテーションで決める方法
公平性を最も重視する場合、くじ引きや定期的なローテーション(席替え)で決める方法があります。誰にとっても公平であり、社員の不満が出にくいというメリットがあります。また、定期的に席が変わることで、普段話さない人とのコミュニケーションが生まれるきっかけにもなります。一方で、業務上の連携が取りにくくなる可能性があるため、導入には注意が必要です。
社員の希望アンケートで決める方法
社員の満足度を重視するなら、アンケートで希望の座席エリア(例:窓際、静かなエリアなど)をヒアリングし、調整する方法もあります。社員のエンゲージメント向上に繋がりますが、希望が集中した際の調整が難しいという課題があります。希望が通らなかった社員への配慮や、調整のルールを事前に明確にしておくことが求められます。
フリーアドレス導入を成功させる4つの手順
近年導入が進むフリーアドレスですが、単に制度を導入するだけでは失敗に終わることも少なくありません。ここでは、フリーアドレスを成功させるための具体的な4つの手順を解説します。
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手順1:導入の目的を明確にする
まず、「なぜフリーアドレスを導入するのか」という目的を明確にすることが不可欠です。「コミュニケーションを活性化させたい」「省スペース化を実現したい」「自律的な働き方を促進したい」など、目的によって必要なルールやツールの設計が変わってきます。目的を経営層から社員まで全員で共有することが、成功への第一歩です。
手順2:運用ルールを具体的に策定する
フリーアドレスの導入にあたっては、円滑な運用を支えるルール作りが欠かせません。ルールがないと、「いつも同じ人が同じ席に座る」「私物が放置されて席が使えない」といった問題が発生しがちです。
| ルールの例 | 目的 |
| 座席の長時間占有の禁止 | 特定の社員による席の固定化を防ぎ、公平性を保つ。 |
| クリアデスクの徹底 | 退席時に机の上を片付け、次の人が気持ちよく使えるようにする。 |
| Web会議エリアの指定 | 周囲への音漏れを配慮し、快適なオフィス環境を維持する。 |
手順3:必要なツールや設備を準備する
フリーアドレス環境では、固定席で不要だったツールや設備が必要になります。誰がどこにいるかを把握するための座席管理システム、個人の荷物を収納するための個人ロッカー、どこでも仕事ができるようにノートPCや無線LAN環境の整備などが挙げられます。このようなインフラは事前に整えましょう。
【関連記事】オフィス設備を充実させて働きやすい環境へ!おすすめの設備や選び方のポイントを紹介 | 居抜き物件ならつながるオフィス
手順4:社員への周知と試行期間を設ける
新しい働き方に移行する際は、社員の不安を払拭するための丁寧な説明と準備期間が必要です。導入目的やルールについて説明会を開き、質問の時間も十分に設けましょう。また、本格導入の前に特定の部署で試行期間を設け、出てきた課題を改善してから全社展開することで、スムーズな移行が可能になります。
会社の座席決めを成功させるためのポイント
どのような座席の決め方を選択するにせよ、成功のためにはいくつかの共通したポイントがあります。ここでは、特に重要な3つのポイントを紹介します。
社員の意見を十分にヒアリングする
座席は毎日社員が利用するものです。一方的に決めるのではなく、実際に働く社員の意見を聞くことが非常に重要になります。アンケートやヒアリングを通じて、「集中できるスペースが欲しい」「もっと気軽に相談できる配置が良い」といった現場のニーズを把握し、レイアウトに反映させることで、満足度の高いオフィス環境を実現できます。
【関連記事】オフィスレイアウトは重要!基本の7パターンと成功させるコツを解説 | 居抜き物件ならつながるオフィス
部署やチームの業務特性を考慮する
全部署で画一的なルールを適用するのではなく、部署ごとの業務特性を考慮することが成功の鍵です。例えば、頻繁に電話応対が必要な部署は執務エリアの端に配置する、機密情報を扱う部署はセキュリティの高いエリアに集めるなど、それぞれの働き方に合わせた柔軟な設計が求められます。
変更の目的やコンセプトを明確に共有する
座席レイアウトを変更する際は、目的や「どのような働き方を実現したいか」というコンセプトを全社員に明確に伝えましょう。目的が共有されれば、社員は変更を前向きに捉え、新しい環境に順応しやすくなります。コンセプトが浸透すれば、社員一人ひとりがそれを意識した行動を取るようになり、理想のオフィス文化が醸成されやすくなります。
会社のオフィスの運用に役立つツールとは?
オフィス内の座席については、特にフリーアドレスを円滑に進めるためには、ITツールの活用が非常に効果的です。ここでは代表的なツールを2つ紹介します。
座席の予約・管理ができる「座席管理システム」
座席管理システムは、オフィスの座席レイアウトを画面上に表示し、誰がどこに座っているかを可視化するツールです。出社前に座席を予約できる機能や、特定の社員を検索して座席を確認する機能があり、「出社したのに座る席がない」「話したい相手がどこにいるか分からない」といったフリーアドレス特有の課題を解決します。
| 主な機能 | メリット |
| 座席予約 | 出社時の座席確保の不安を解消する。 |
| 在席状況の可視化 | コミュニケーションを取りたい相手をすぐに見つけられる。 |
| 利用データ分析 | 座席の利用率を分析し、レイアウト改善に活かせる。 |
所在確認に役立つ「ビジネスチャット」
SlackやMicrosoft Teamsといったビジネスチャットツールも、所在確認に役立ちます。多くのツールには、現在のステータスを「オフィス勤務」「在宅勤務」「会議中」などに設定する機能があります。相手の状況を確認してからコミュニケーションを取れるため、円滑な業務連携をサポートします。
まとめ
会社の座席の決め方は、単なる場所決めではなく、企業の文化や生産性を形作る重要な経営課題です。固定席、フリーアドレス、ABWといった選択肢の中から自社の目指す姿に合ったものを選び、社員の意見を取り入れながら、公平性と効率性のバランスを取ることが成功の鍵となります。本記事で紹介したポイントや手順を参考に、ぜひ貴社にとって最適なオフィス環境を実現してください。
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