事務所設計で失敗しないための全手順!費用相場から業者選びまで徹底解説
2025.11.07


事務所の移転やリニューアルが決まった際、多くの担当者が頭を悩ませるのが「事務所の設計」です。単に見た目がおしゃれなだけでなく、従業員が働きやすく、生産性が向上するようなオフィスを作るには、どのような手順で進めれば良いのでしょうか。 また、費用はどのくらいかかるのか、信頼できる業者はどうやって選べば良いのか、疑問は尽きないことでしょう。 本記事では、初めて事務所設計を担当する方でも安心してプロジェクトを進められるように、設計の基本的な流れから費用の相場、成功のポイントまでを網羅的に解説します。
目次
事務所設計とは
事務所設計とは、オフィスの空間を機能的かつ快適に計画・デザインすることです。単に内装を美しくするだけでなく、従業員の「働きやすさ」や「生産性」の向上を最大の目的とします。
用途に応じた適切なゾーニング(空間の区分け)や効率的な動線・レイアウト、コミュニケーションを活性化させるエリアの設置、適切な什器の選定、そして企業のブランドイメージを反映したデザインまで、考慮すべき要素は多岐にわたります。現代の多様な働き方に合わせた最適な環境を構築することが、事務所設計の重要な役割です。
ポイントはあなたの社員の職種の割合がによって事務所の設計(ゾーニング)が大きく変わる事
例えば、営業職がメインの販売会社では、島型レイアウトが多めな席配置を中心にしたほうが、営業活動中にわからないことが有ったらすぐに上司に確認が出来る(経験の浅い若い営業マンが多い向け)点が良いでしょう。
一方でエンジニアの場合は常に上司に見張られている島型のレイアウトは相性が悪いです。また、電話の音等が作業中に聞こえにく設計にするために、個室に近いスペースを作るなど配慮する必要があります。
島型などのレイアウトの種類はオフィスレイアウトは重要!基本の7パターンと成功させるコツを解説をご覧ください。
なぜ今、事務所設計が重要なのか?
近年、働き方の多様化に伴い、オフィスの役割は大きく変化しています。単なる作業場所ではなく、企業の価値観を体現し、人材を惹きつけ、事業の成長を促進する戦略的な拠点として、事務所設計の重要性が増しています。
従業員の生産性を向上させるため
適切に設計されたオフィスは、従業員の生産性に直接的な影響を与えます。 例えば、集中して作業できる個人ブースと、気軽にアイデアを交換できるコラボレーションスペースをバランス良く配置することで、業務内容に応じた最適な環境を作れます。効率的な動線計画は無駄な移動時間を削減し、本来の業務に集中できる時間を増やします。快適なオフィス環境は、従業員の満足度とエンゲージメントを高め、結果として組織全体の生産性向上につながるのです。
企業のブランディングを強化するため
オフィスは、訪れる顧客や取引先、そして採用候補者に対して、企業の理念や文化を伝える「顔」としての役割を担います。 例えば、エントランスにコーポレートカラーやロゴを取り入れたり、企業のビジョンを反映したデザインコンセプトを空間全体で表現したりすることで、社外への強力なブランディングツールとなります。 また、従業員も自社のオフィスに誇りを持ち、帰属意識を高める効果が期待できます。
コミュニケーションを活性化させるため
オフィス設計は、従業員同士のコミュニケーションの質と量にも大きく関わります。部署間の壁を取り払ったオープンなレイアウトや、偶然の出会いや会話が生まれる「マグネットスペース」と呼ばれるカフェスペースなどを設けることで、組織の風通しが良くなります。このような偶発的なコミュニケーションから新たなイノベーションが生まれることも少なくありません。
【関連記事】オフィス改革のアイデアと実践のコツとは?企業の成功事例も紹介します! | 居抜き物件ならつながるオフィス
事務所設計の基本的な流れと手順
事務所設計は、思いつきで進めると失敗につながりかねません。成功のためには、しっかりとした計画と手順を踏むことが重要です。ここでは、一般的な事務所設計の基本的な流れを7つのステップに分けて解説します。
【関連記事】事務所内装工事を成功させるには?費用相場や進め方を解説 | 居抜き物件ならつながるオフィス
手順1: 現状の課題を洗い出す
まず最初に行うべきは、現在のオフィスに対する課題の洗い出しです。 「会議室が足りない」「収納スペースが不足している」「部署間の連携が取りづらい」など、従業員へのアンケートやヒアリングを通じて、具体的な問題点を明確にします。 この課題が、新しいオフィスで実現すべきことの土台となります。
手順2: オフィスのコンセプトを決定する
次に、洗い出した課題をもとに、新しいオフィスのコンセプトを決定します。 「コミュニケーションを活性化させるオフィス」「集中とリラックスを両立できるオフィス」「企業の先進性をアピールするオフィス」など、明確にコンセプトを設定できれば、デザインやレイアウトの方向性が定まり、関係者間の意思統一が図りやすくなります。
手順3: 専門の設計会社を選定する
コンセプトが固まったら、それを実現してくれるパートナーとなる設計会社を選定します。 複数の会社から提案や見積もりを取り、比較検討することが重要です。実績やデザインの方向性、担当者との相性などを総合的に判断し、信頼できる会社を選びましょう。
手順4: 要件定義とデザイン提案
選定した設計会社と、具体的な要件のすり合わせを行います。従業員数、必要な部屋の種類と数、予算、スケジュールなどを詳細に伝え、それに基づいたレイアウトプランやデザイン案を提案してもらいます。この段階で、CGパースなどを使って完成後のイメージを共有し、認識のズレがないかを確認します。
手順5: 詳細な実施設計と見積もり
基本デザインが固まったら、実際に工事を行うための詳細な図面(実施設計図)を作成します。使用する素材や什器、電気・空調設備の仕様などを細かく決定し、それに基づいた最終的な見積もりを算出します。内容を精査し、予算内に収まっているかを確認した上で、契約を締結します。
手順6: 施工とプロジェクト監理
設計図と見積もりに基づき、内装工事が始まります。設計会社は、工事が設計図通りに、かつスケジュール通りに進んでいるかを監理(プロジェクトマネジメント)します。工事期間中は定期的に進捗報告を受け、必要に応じて現場確認を行いましょう。
手順7: 移転とアフターフォロー
工事が完了し、引き渡しを受けたら、いよいよオフィスの移転です。移転作業も計画的に進める必要があります。また、実際にオフィスを使い始めた後に発生した不具合や追加の要望に対応してくれるかなど、設計会社のアフターフォロー体制も確認しておきましょう。
【関連記事】オフィス移転にかかる坪単価はいくら?100坪に拡大した時の概算事例を元に解説 | 居抜き物件ならつながるオフィス
事務所設計にかかる費用の内訳と相場
事務所設計には、様々な費用が発生します。予算計画を立てるためにも、費用の内訳とそれぞれの相場を把握しておくことが重要です。
設計デザイン費の考え方
設計デザイン費は、オフィスの設計やデザイン、工事監理を依頼する対価として設計会社に支払う費用です。算出方法は会社によって異なりますが、一般的には総工費の10%〜15%程度が目安とされています。プロジェクトの規模や難易度によって変動します。
内装工事費の坪単価の目安
内装工事費は、壁や床、天井の工事、電気・水道・空調設備の工事など、オフィス空間を作るための費用全般を指します。坪単価で費用を考えることが多く、オフィスのグレードによって大きく変動します。
| オフィスのグレード | 坪単価の目安 | 特徴 |
| ベーシック | 10万円~30万円 | 必要最低限の機能を備えたシンプルな内装 |
| スタンダード | 30万円~60万円 | デザイン性や機能性を考慮した一般的なオフィス |
| ハイグレード | 60万円~ | こだわりの素材や造作家具などを取り入れた高品質なオフィス |
※上記の金額はあくまで目安であり、工事内容やビルの条件によって変動します。
具体例につきましてはオフィス移転にかかる坪単価はいくら?100坪に拡大した時の概算事例を元に解説をご確認ください。
オフィス家具や什器にかかる費用
デスクや椅子、キャビネット、会議テーブルといったオフィス家具や、複合機、サーバーなどの什器にかかる費用です。選ぶ製品のグレードや数量によって費用は大きく変わります。従業員一人あたり10万円~30万円程度を一つの目安として予算を組むと良いでしょう。
失敗しない事務所設計会社の選び方
事務所設計の成功は、パートナーとなる設計会社選びにかかっていると言っても過言ではありません。ここでは、自社に最適な会社を選ぶための4つのポイントを紹介します。
企業の課題解決実績を確認する
デザイン性の高さだけでなく、企業の課題を解決するオフィス設計の実績が豊富かを確認しましょう。企業の公式サイトに掲載されている事例を見て、自社と似たような業種や規模の企業の課題をどのように解決したのかをチェックすることが重要です。
デザインの方向性が自社と合うか見極める
設計会社には、それぞれ得意なデザインのテイストがあります。モダンでシンプルなデザインが得意な会社、木材を活かした温かみのあるデザインが得意な会社など様々です。自社が目指すオフィスのコンセプトや雰囲気に合ったデザインを提案してくれる会社を選びましょう。
内装費0円ですぐに移転できる実際のデザイナーズオフィスはこちらを見てください。
見積もりの内容が透明であるか確認する
複数の会社から見積もりを取る際は、金額だけでなく、内訳が詳細かつ明確に記載されているかを確認してください。「一式」といった曖昧な項目が多い見積もりは注意が必要です。何にどれくらいの費用がかかるのかが透明であり、丁寧に説明してくれる会社は信頼できると言えるでしょう。
担当者との相性やコミュニケーションを重視する
事務所設計のプロジェクトは、数ヶ月にわたる長い付き合いになります。自社の要望を的確に汲み取り、専門的な視点から最適な提案をしてくれるか、また、円滑にコミュニケーションが取れるかなど、担当者との相性も重要な選定基準です。
エリア別!機能的な事務所設計のポイント
オフィスは様々なエリアで構成されています。それぞれのエリアの役割を理解し、目的に合わせた設計を行うことで、オフィス全体の機能性が高まります。
エントランス:企業の顔を演出する
エントランスは、来訪者が最初に足を踏み入れる場所であり、企業の第一印象を決める重要な空間です。コーポレートカラーやロゴを効果的に使用し、企業のブランドイメージを伝えるデザインにするのがポイントです。 受付システムを導入して業務を効率化したり、会社の製品やサービスを紹介するスペースを設けたりするのも良いでしょう。
執務スペース:集中と連携を両立させる
執務スペースは、従業員が最も長く過ごす場所です。集中したい時のための個人ブースや、チームで協力して作業するためのプロジェクトエリアなど、多様な働き方に対応できるレイアウトが求められます。最近では、固定席を設けないフリーアドレス制を導入し、スペースを有効活用する企業も増えています。
【関連記事】【徹底解説】フリーアドレスオフィスのメリットとは?デメリットや導入手順も解説 | 居抜き物件ならつながるオフィス
会議室:目的に合わせた設備を導入する
会議室は、来客対応、社内ミーティング、Web会議など、利用目的に合わせて広さや設備を計画することが大切です。 例えば、大人数での会議が多いなら大型モニターを、機密性の高い会議を行うなら防音性の高い壁材を選ぶなど、用途に応じた設計を心掛けましょう。
リフレッシュスペース:心身の健康を促進する
従業員が休憩時間にリラックスし、気分転換できるリフレッシュスペースは、生産性向上に不可欠です。 眺めの良い窓際にソファを置いたり、コーヒーマシンや観葉植物を設置したりすることで、従業員の満足度を高め、コミュニケーションのきっかけを生み出せます。
【関連記事】オフィスの休憩スペース作りのポイントは?レイアウト例まで紹介! | 居抜き物件ならつながるオフィス
事務所設計で注意すべき法的要件
事務所を設計する際には、デザインや機能性だけでなく、法律で定められた基準を遵守する必要があります。これを怠ると、後で大規模な改修工事が必要になる可能性もあるため、設計段階で必ず確認しましょう。
建築基準法と消防法を遵守する
事務所設計において特に重要なのが「建築基準法」と「消防法」です。建築基準法では、廊下の幅や天井の高さ、換気設備の設置などが定められています。消防法では、火災報知器やスプリンクラー、消火器の設置、避難経路の確保などが義務付けられています。これらの基準は複雑なため、専門家である設計会社と密に連携して進めましょう。
バリアフリー法への対応を検討する
正式には「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」と言い、全ての人が安全かつ快適に利用できるよう、オフィス内の段差をなくしたり、車椅子対応のトイレを設置したりすることを定めています。全てのオフィスに義務付けられているわけではありませんが、多様な人材が活躍できる職場環境を作る上で、バリアフリーへの配慮は今後ますます重要になるでしょう。
まとめ
本記事では、事務所設計の重要性から具体的な進め方、費用、業者選びのポイントまでを解説しました。良い事務所設計は、従業員の働きがいを高め、企業の成長を後押しする力を持っています。この記事で紹介した手順とポイントを参考に、自社にとって最適なオフィス空間を実現してください。
具体的な事務所の移転の流れについては事務所移転の完全ガイド|流れ・必要な手続き・注意点で確認できます。
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