サステナビリティ
東急不動産株式会社/渋谷から広がるGREEN ACTION①オフィスビルに新しい付加価値を展開
2025.07.15



今回のお客様は、2030年に向けたスローガン「WE ARE GREEN」を掲げて事業展開されている東急不動産ホールディングス/東急不動産株式会社です。同社は、国内でいち早く事業所や保有施設再生エネルギー化を行う「RE100」を実現するなど、環境先進企業としても知られています。また、オフィスを起点とした、新しいサービスの形として「GREEN WORK STYLE」を提案しています。その中で、会社を育てる4つのテーマの一つとして、新しいオフィスの在り方を提案しています。今回ご紹介するのは、その取り組みの一環である「GREEN ACTION」。オフィスに緑の力を取り入れて、働く人の快適性を高める働きかけです。SDG’sを背景に、環境や働く人に配慮した高付加価値のオフィスビルが注目される近年、東急不動産さんが取り組むユニークなアクションを取材しました。
インタビューにお答えいただいたのは、東急不動産株式会社 都市事業ユニット 都市事業本部 ビル運営事業部の春木 大志さん。前編では「GREEN ACTION」の取り組みについて、後編では、ビルの屋上でサツマイモを栽培する『芋緑化システム』について伺っていきます。
注目される“オフィスビルの付加価値”
―近年オフィスビルでは、環境配慮やエネルギー、ウェルビーイングといったさまざまな付加価値のついた物件が注目されていますが、その背景についてお聞かせください。
春木さん:コロナ以前は、オフィスビルと言えば立地とビルグレードが基準で、独自の価値提供はむずかしく、どうしても価格競争になりがちでした。
コロナがきっかけで、一斉に在宅勤務を含めた働き方の多様化が進み、コロナ後も「オフィス不要論」が叫ばれるなど、業界全体がテナント離れの危機に直面しました。各社、企業のオフィス回帰の道筋を模索する中で、地球環境や働く人への配慮といった視点から、価値を再構築するオフィスビルが増えていったのだと思います。
テナント様側からすると、そういったオフィスに入居すれば、『環境配慮をしている』と対外に向けてアピールすることが可能になります。会社規模の大小を問わず、ESG、BCP、社員の採用などにも、社会課題への取り組みが問われる現代。付加価値物件へのニーズは、今後もさらに高まっていくと思っています。

左写真:2025年1月にリニューアルしたばかりの東京・渋谷本社のエントランス、
右写真:会議室 「環境先進企業」を体現化したオフィス。グリーンがふんだんに飾られており、床・壁等に再生内装建材が利用されている。
GREEN WORK STYLEでオフィスに緑を
―東急不動産さんのオフィスビルに関する取り組み、春木さんの部署の取り組みについて教えてください。
春木さん:コロナ以降、東急不動産でも“当社ならではの付加価値”を模索する中、今まで以上に『入居するだけで得られる価値』を重要視していくようになりました。例えば、当社では国内事業所の電力を100%再生可能エネルギーに切り替える「RE100」を国内事業者ではじめて実現しており、テナント様は当社物件に入居するだけで「再エネ100%のオフィスを使用している」という姿勢を打ち出すことができる。独自の環境配慮まで手が回らないという企業さんもいるので、そうしたニーズに寄りそう形で、テナント様に価値を提供していきたいと思っています。
働く環境に関しては、「GREEN WORK STYLE」というスローガンを設け、「働きやすい会社へ」「健康的な会社へ」「地球にやさしい会社へ」「もっと楽しい会社へ」という四つの柱に沿ったオフィスづくりの提案をしています。
私の部署は、「GREEN WORK STYLE」をベースに、オフィスビルの付加価値を高める提案を形にしていく仕事。特にフォーカスしているのは、環境配慮ですね。環境先進企業として発信ができるようなオフィスビルをテナント様に向けて提供しています。
オフィスビルの屋上で育ったサツマイモチップスが誕生
―これまでに手掛けられたオフィスビルの取り組み実績を教えてください。
春木さん:ビル屋上に設置されたエアコン室外機の空間を利用してサツマイモを栽培する「芋緑化」ですね。生い茂るサツマイモの葉が室外機周辺の気温を低下させ、空調効率を上げることで、夏季日中の電気使用量が低下し、脱酸素と生物多様性に貢献できる取り組みです。そして副産物として、秋にはサツマイモが収穫できます。現在、栽培に取り組んでいるオフィスビルは渋谷周辺の5物件。2024年度の収穫量は合計467㎏でした。これはサツマイモチップスにして、テナント様や物件共同オーナー様に配らせてもらいました。
また、プランターを使ったホップ栽培、養蜂も行っています。ビールの原料となるホップは、今インタビューをしているこのビル「渋谷ソラスタ」のほか3物件で栽培しています。採れたホップを使って『246 LAGER』というビールも完成しました。まぎれもなく渋谷のエッセンスが含まれたビールに仕上がっており、味も抜群です!
養蜂に関しては、渋谷・恵比寿・竹芝エリア3物件に巣箱を置いて展開しています。採れたハチミツは、エリアごとに瓶詰にしていますが、そう離れていない渋谷と恵比寿なのに、ハチミツの色味が全然違うのが面白いですよね。
こうした意外な取り組みはテナント様との会話のきっかけにもなり、「GREEN ACTION」の周知もできるので今後も継続していきます。
今後の展望としては、いずれの事業もまだ始めて数年なので、現在のサイクルをしっかり回しつつ、それぞれのビルの特性に合った付加価値を提案し、渋谷エリアから更にGREENを増やしていければと思っています。

左写真:ビルの屋上で作られたサツマイモを利用したサツマイモチップスや、ホップを使った『246 LAGER』、渋谷と恵比寿で採れたハチミツ
右写真:東急不動産株式会社 春木さん、弊社 SOI事業部 岡村
―春木さん、ありがとうございました。まさか渋谷の屋上で、サツマイモやホップが作られているとは思いませんでした。後半では、室外機の空間を利用して行うサツマイモ栽培『芋緑化システム』にフォーカスし、より詳しいお話しを伺っていきます。
ご参考までですが、サツマイモチップスやビールなどの完成品は販売されていません。「生産量が少ないので、一部取引先にしかお配りできていない状況です」とのこと。サツマイモをしっかり寝かせて熟成させてからサツマイモチップスにされているので、とても美味しいそうです!味が気になりますが入手は難しそうですね。残念です(笑)。
「GREEN ACTION」情報が日々更新されている「GREEN WORK STYLE」については、以下よりご覧いただけます!


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