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オフィス移転のPMとは?導入のメリットや失敗しない業者選定のポイントを紹介
2026.01.28


企業の成長や働き方の変化に伴い、オフィス移転は経営における一大プロジェクトとなります。しかし、物件探しから内装デザインの決定、各種業者の手配、社内調整に至るまで、その業務量は膨大かつ複雑です。通常業務と兼任で担当される総務や担当者の方にとって、これらをミスなく遂行することは大きなプレッシャーとなるでしょう。そこで近年注目されているのが、オフィス移転の専門家である「PM(プロジェクトマネジメント)」の活用です。本記事では、オフィス移転におけるPMの役割や導入のメリット、そして失敗しないためのパートナー選びのポイントについて詳しく解説します。
目次
オフィス移転におけるPM(プロジェクトマネジメント)とは?
オフィス移転におけるPMとは、発注者である企業の側に立ち、移転プロジェクトの全体を統括・管理するサービスやその担当者を指します。単に荷物を運ぶ手配をするだけでなく、移転の目的設定から予算管理、スケジュール調整、品質管理までをトータルでサポートする役割を担います。専門的な知識を持たない担当者にとって、PMはプロジェクトを成功に導くための水先案内人のような存在と言えるでしょう。
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PMとCM(コンストラクションマネジメント)の関連性
PMと似た言葉にCM(コンストラクションマネジメント)がありますが、これらは管理する対象の範囲が異なります。PMがプロジェクト全体の予算、スケジュール、品質、リソースなどを包括的に管理するのに対し、CMは主に「工事(コンストラクション)」の部分に特化して、技術的な視点からコストや品質、工程を管理する手法を指します。オフィス移転においては、PM業務の中にCMの要素が含まれることが一般的です。つまり、PMを依頼することで、工事現場の専門的なチェック機能も同時に得られると考えてよいでしょう。
オフィス移転でPMを導入する3つのメリット
外部のプロフェッショナルであるPMをプロジェクトに参加させることには、多くの利点があります。ここでは特に、コスト、スケジュール、品質というプロジェクトの三大要素におけるメリットについて詳しく見ていきます。
専門知識による適正なコスト管理と削減効果
最大のメリットの一つは、コストの透明化と適正化です。オフィス移転には多くの業者が関わり、見積もりの項目も専門的で複雑になるため、提示された金額が妥当かどうかを素人が判断するのは困難です。PMはプロの目線で各社の見積もり内容を精査し、重複や無駄な項目がないか、単価が市場相場と乖離していないかを厳しくチェックします。また、発注区分を整理し、競争原理が働くように入札(コンペ)を実施することで、コストダウンを図ることも可能です。PMへの委託費用が発生したとしても、結果的に移転総額を大幅に削減できるケースは少なくありません。
複雑なスケジュールの管理と工数削減
オフィス移転は「決まった期日までに完了させなければならない」という絶対的な期限が存在するプロジェクトです。物件の解約予告期限や新オフィスの入居可能日など、複数のマイルストーンを意識しながら、設計、工事、引越し、原状回復などの工程をパズルのように組み合わせる必要があります。PMは全体スケジュールを俯瞰し、遅れが生じそうなリスクを早期に発見して対策を講じます。これにより、担当者はスケジュールの遅延に怯えることなく、社内への周知や意思決定などのコア業務に集中することができ、精神的・時間的な負担が大幅に軽減されます。
業者間の調整と品質の担保
複数の業者が入り乱れる現場では、責任分界点の曖昧さからトラブルが発生しがちです。例えば、電源工事と家具設置のスケジュールが噛み合わず手戻りが発生したり、ネットワーク配線が要望通りに行われていなかったりといった問題です。PMは定例会議を主催し、業者間の連携を密に取ることで、こうしたトラブルを未然に防ぎます。また、設計図書通りに施工が行われているかどうかの品質チェックも行うため、完成後のオフィスのクオリティを高く保つことができます。発注者の要望が現場の末端まで正しく伝わるようコントロールすることも、PMの重要な役割です。
| 比較項目 | 自社のみで管理する場合 | PM(プロジェクトマネジメント)を導入する場合 |
| 業者選定・発注 | 担当者が各業者を個別に探し、比較・発注する必要がある | PMが最適な業者候補を選定し、発注支援を行う |
| 窓口業務 | 全ての業者からの連絡を担当者が直接受ける | PMが窓口となり、情報を集約・整理して担当者に報告する |
| コスト管理 | 見積もりの妥当性判断が難しく、言い値になるリスクがある | プロの視点で査定・交渉を行い、適正価格やコスト削減を実現する |
| スケジュール | 調整ミスによる遅延や手戻りのリスクが高い | 全体工程を可視化し、リスクを管理しながら進行する |
| 担当者の負担 | 通常業務を圧迫するほど負荷が高い | 意思決定などの重要業務に集中でき、負荷が大幅に軽減される |
PM導入で注意すべきデメリットと対策
多くのメリットがある一方で、PMの導入には考慮すべき点も存在します。導入を決定する前に、考えられるデメリットとその対策について理解しておくことが重要です。
外部委託による費用の発生と費用対効果の考え方
当然ながら、PM会社に業務を委託すれば、その分のマネジメントフィー(委託費用)が発生します。小規模な移転や、極めてシンプルな内容の移転であれば、この費用が割高に感じられることもあるでしょう。しかし、前述の通り、PMの介入による工事費の削減効果や、担当者の残業代などの見えない人件費、トラブル回避によるリスクヘッジ効果を含めて総合的に判断する必要があります。導入時には、PM費用単体を見るのではなく、プロジェクト全体での費用対効果(ROI)をシミュレーションすることをお勧めします。
業者との相性やコミュニケーションコスト
PMはプロジェクトの期間中、担当者と二人三脚で進むパートナーとなります。そのため、PM担当者との相性が悪いと、かえってストレスになったり、意図がうまく伝わらずプロジェクトが停滞したりするリスクがあります。また、PMを経由することで情報伝達のスピードが落ちると感じる場面があるかもしれません。こうした事態を避けるためには、契約前の選定段階で担当者と直接面談し、コミュニケーションのスタイルや価値観が合うかどうかを慎重に見極めることが大切です。
自社にPMは必要?導入を検討すべき企業の条件
すべてのオフィス移転にPMが必須というわけではありません。自社の状況と照らし合わせ、PMを導入すべきかどうかを判断するための基準について解説します。
移転規模やプロジェクトの難易度による判断
一般的に、移転対象の面積が100坪を超える場合や、従業員数が50名以上の規模になる場合は、関係者が増え調整事項が複雑化するため、PMの導入効果が高まります。また、単なる移転ではなく、働き方改革を伴うレイアウト変更や、セキュリティ要件が厳しい場合、またビル側の工事区分(B工事など)の調整が難しい場合なども、専門家の知見が必要となるケースです。逆に、数名規模の小規模な移転で、レイアウトにもこだわらない場合は、自社対応または引越し業者のオプションサービスなどで十分な場合もあります。
社内リソースの状況と担当者の負担
総務やファシリティの専門部署がなく、他業務と兼任の担当者が一人または少人数でプロジェクトを進めなければならない場合は、PMの導入を強く推奨します。移転業務は短期間に集中して膨大なタスクが発生するため、通常業務と並行して行うとパンクしてしまう可能性が高いからです。社内のリソース不足を補い、プロジェクトを安全に完遂するための「外部リソース」としてPMを捉える視点が重要です。
信頼できるPM会社を選ぶためのチェックポイント
PMの質がプロジェクトの成否を左右すると言っても過言ではありません。数ある会社の中から、自社に最適なパートナーを見つけるために確認すべき点を紹介します。
豊富な実績と具体的な事例の有無
まず確認すべきは、オフィス移転のPMとしての実績数と内容です。特に、自社と同規模・同業種の移転実績があるかどうかは重要な指標となります。Webサイト上の事例だけでなく、実際にどのような課題を解決したのか、どのようなトラブルに対応した経験があるかなど、具体的なエピソードを聞き出すと良いでしょう。経験豊富なPMであれば、過去の失敗事例に基づいたリスク回避策を事前に提示してくれるはずです。
特定の業者に偏らない中立的な立場か
PM会社には、独立系の会社もあれば、建設会社や不動産会社、オフィス家具メーカーの系列会社もあります。系列会社の場合、親会社の商材や指定業者を使うことが前提となっているケースがあり、純粋な意味での競争原理が働かない可能性があります。発注者の利益を最優先に考えるならば、特定の業者やメーカーに縛られず、フラットな視点で最適な提案をしてくれる中立的なスタンスの会社、あるいは系列であってもフリーな選定が可能であることを明言している会社を選ぶことが望ましいです。
担当者のコミュニケーション能力と提案力
企業としての実績も大切ですが、最終的には「誰が担当してくれるか」が最も重要です。契約前のプレゼンテーションやヒアリングの場で、担当者の理解力や提案力、そして話しやすさを確認してください。こちらの要望を鵜呑みにするだけでなく、「それはリスクがあります」「こうした方がコストを抑えられます」といったプロとしての意見をはっきりと言ってくれる担当者の方が信頼できます。長期間にわたるプロジェクトを共に乗り越える仲間として、信頼関係を築ける人物かどうかを見極めましょう。
PM会社に依頼してから移転完了までの流れ
実際にPM会社に依頼した場合、どのようなフローでプロジェクトが進んでいくのでしょうか。大きく分けて3つのフェーズで解説します。
戦略策定から要件定義のフェーズ
プロジェクトの初期段階では、PMと共に移転の目的や基本方針を明確にします。「なぜ移転するのか」「新しいオフィスでどのような働き方を実現したいのか」といったコンセプトを固め、必要な面積、予算、スケジュールの全体像(マスタープラン)を作成します。この段階でしっかりとした軸を作っておくことが、後のブレを防ぐために重要です。PMは経営層へのプレゼン資料作成のサポートや、物件選定のアドバイスも行います。
業者選定と設計・施工管理のフェーズ
基本計画が固まったら、デザイン会社や内装工事業者、家具メーカーなどの選定に入ります。PMはRFP(提案依頼書)を作成し、各社からの提案と比較検討を支援します。業者が決定した後は、基本設計・実施設計へと進み、定例会議を通じて進捗や課題を管理します。工事が始まると、現場での施工状況を確認し、図面との整合性や品質チェックを行います。追加工事が発生しそうな場合の査定や交渉もPMの重要な役割です。
引越しと原状回復工事の完了まで
新しいオフィスが完成に近づくと、具体的な引越し計画の策定に移ります。廃棄物の処理、梱包のルール作り、社員への説明会の実施、当日の立会いなどを行います。無事に引越しが完了した後も、旧オフィスの原状回復工事の調整や、敷金返還の交渉サポートなど、プロジェクトが完全に終了するまでPMの支援は続きます。すべての支払いが完了し、プロジェクト完了報告書が提出されて、PM業務は終了となります。
まとめ
オフィス移転は企業にとって、組織の活性化やブランディングに繋がる重要な経営課題です。しかし、そのプロセスは複雑で、専門知識のない担当者だけで完璧に進めることは極めて困難です。PM(プロジェクトマネジメント)を導入することで、コストの適正化、スケジュールの遵守、品質の向上といった直接的なメリットだけでなく、担当者の負担軽減やリスク回避といった大きな価値を得ることができます。自社の規模や課題に合わせて適切なPMパートナーを選び、二人三脚でプロジェクトを進めることが、満足度の高いオフィス移転を実現する鍵となるでしょう。まずは複数のPM会社に相談し、自社の移転プロジェクトについて話を聞いてみることから始めてみてはいかがでしょうか。
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