オフィス移転で従業員が「辞めたい」と思う理由と退職を防ぐ方法

オフィス移転で従業員が「辞めたい」と思う主な理由

オフィス移転をきっかけに従業員が「辞めたい」と思う主な理由を4つ解説します。

通勤時間や通勤距離が増える

オフィス移転によって通勤時間や通勤距離が大幅に増えることは、退職を招く理由の一つです。特に、通勤のしやすさを考慮して入社した従業員や、オフィスの近くに住んでいた従業員にとっては、移転が大きなストレス要因になりかねません。また、新オフィスの立地によって交通アクセスが悪化した場合、通勤自体が日々のストレスとなり、「辞めたい」と思うようになる可能性が高くなります。

ライフスタイルを変える必要がある

オフィス移転によって通勤時間が長くなると、ワークライフバランスが崩れるおそれがあります。これまでより早く起きなければならず、帰宅時間も遅くなるため、自分の時間が減ってしまうのです。趣味・習い事・勉強に充てる時間が減ったり、保育園の送迎が難しくなったりと、家庭やプライベートへの影響が生じるケースもあります。これまで安定していたライフスタイルが崩れてしまうことで、退職の検討につながる可能性もあります。

オフィス周辺にお店が少ない

オフィス移転によって周辺環境が変わり、利便性が低下することで不満を感じる従業員も少なくありません。移転先の周囲にコンビニや飲食店が少ない場合、昼食の選択肢が限られ、弁当を持参したり、通勤途中で購入したりといった手間が増えます。また、スーパーやドラッグストアが近くにないと、仕事で必要な備品をすぐに購入できなかったり、帰宅時のちょっとした買い物が難しくなったりと、不便さを感じる場面が増えるでしょう。こうした利便性の低下は日々の小さなストレスの積み重ねにつながりやすく、休憩中のリフレッシュの機会が減ることでモチベーション低下を招くため、退職者が発生する可能性があります。

オフィス周辺の環境や治安が良くない

オフィス移転によって周辺の環境や治安が悪化すると、従業員が不安やストレスを感じ、退職を検討する要因となることがあります。特に、最寄り駅からオフィスまでの道に街灯や人通りが少ない場合は、女性従業員を中心に安全面への不安が強まりやすくなります。また、周囲の騒音がひどかったり、環境が汚れていて悪臭がしたりするような立地では、従業員の健康や集中力が低下し、仕事のパフォーマンスにも悪影響を及ぼす可能性があります。治安の悪いエリアではトラブルや犯罪に巻き込まれるリスクもあるため、移転先の選定時には十分な注意が必要です。

オフィス移転が原因で退職者が増加した場合のデメリット

オフィス移転が原因で退職者が増えると、残っている従業員の業務負担が増加し、モチベーションの低下や生産性の悪化を招くおそれがあります。結果として、チーム全体のパフォーマンスや売上にも大きな影響を及ぼしかねません。また、オフィス移転が退職理由となる場合、状況によっては「会社都合の退職」として扱われることもあります。会社都合の退職者が発生すると、助成金の支給が打ち切られるケースもあり、経営面でのリスクも高まるでしょう。さらに、退職に関するトラブルが発生したり、企業のイメージダウンにつながったりすることで、優秀な人材の採用や定着が難しくなるといった悪影響も考えられます。このようなリスクを回避するためにも、オフィス移転による退職を未然に防ぐことが重要です。

オフィス移転による退職を防ぐ方法

ここからは、オフィス移転による退職を防ぐために企業ができる対策を4つ解説します。

事前に従業員へのヒアリングを行う

従業員の不満やストレスを最小限に抑えるためには、移転前に従業員へのヒアリングを実施することが大切です。ヒアリングでは、現在のオフィスに対する満足度や改善点、移転先に求める条件、不安に感じている点などを丁寧に確認しましょう。すべての希望を叶えることは難しいものの、できる限り意見を反映し、不安や課題に対して適切な対策を講じることが重要です。特に「最寄り駅から近いから」という理由で入社した従業員が多い会社では、通勤条件の変化により退職が増えるリスクがあります。その場合、人が多いターミナル駅付近への移転と併せて採用強化を行うことでリスクヘッジができます。また、従業員の最寄り駅から逆算して移転先を選定するのも有効な方法です。

アクセス・利便性・治安の良い立地・エリアの特性を検討する

オフィス移転では、アクセス・利便性・治安の良い立地を選ぶことが重要です。最寄り駅から近く、複数の交通手段を利用できる立地は、通勤ストレスを軽減します。夜間の人通りや街灯の有無など安全面も必ず確認しましょう。さらに、周辺に飲食店やコンビニなどが充実したエリアなら、利便性が高く、従業員の満足度向上にもつながります。

また、エリアの特性を踏まえて立地を検討することもポイントです。たとえば、渋谷はIT・スタートアップ企業が集まりやすく、同業種との交流や情報交換がしやすいエリアです。港区や丸の内周辺は大企業や外資系企業が多く、取引先との打ち合わせや商談にも便利です。このように、自社の業種や事業方針と親和性の高いエリアを選定することで、企業ブランディングやビジネスチャンスの拡大にもつながります。

職場環境を快適に整える

移転先のオフィスでは、立地や治安だけでなく、従業員が快適に働ける環境づくりも重要です。たとえば、集中して仕事に取り組める執務スペースや個室ブース、アイデアを出し合いやすいコミュニケーションスペース、リフレッシュできる休憩スペースやラウンジを設けることで、従業員のモチベーション向上につながります。また、周辺に飲食店が少ない場合は、デリバリーサービスの導入、社員食堂の設置なども検討すると良いでしょう。

多様な働き方の選択肢を提供する

オフィス移転による従業員の負担を軽減するには、テレワークやフレックスタイム制の導入が効果的です。特に通勤距離が長くなる従業員に対してテレワークを許可することで、通勤による疲労やストレスを減らせます。また、業務内容や役割に応じて柔軟に働き方を選べる環境を整えれば、従業員の満足度や働きやすさが向上し、結果的に仕事への意欲やモチベーションの維持にもつながるでしょう。

オフィス移転を成功させるメリット

オフィス移転を成功させることは、退職の防止につながるだけでなく、さまざまなメリットをもたらします。ここでは、オフィス移転を成功させるメリットを3つ解説します。

従業員のモチベーションや業務効率の向上につながる

従業員が働きやすいオフィス環境を整えることで、モチベーションアップが期待できます。集中して業務に取り組める執務エリアや個室ブース、気分を切り替えられるリフレッシュスペースを設けるほか、業務内容に応じたレイアウトを取り入れれば、業務効率の改善や生産性の向上にもつながるでしょう。

従業員同士のコミュニケーション活性化につながる

移転先のオフィスにコミュニケーションスペースや社員食堂を設けたり、フリーアドレスを導入したりすることで、部署を越えた会話や交流のきっかけが生まれます。また、オフィス周辺に飲食店が多い立地であれば、社外の人と接する機会も増えるでしょう。いつもと異なる視点やアイデアを得られるだけでなく、新たなビジネスチャンスにつなげることも可能です。こうした取り組みによって、従業員は自分が会社に貢献しているという実感を持ちやすくなり、帰属意識を高める効果も期待できます。

優秀な人材が集まりやすくなる

従業員が働きやすいと感じるような立地やオフィス環境は、多くの求職者にとっても大きな魅力となります。アクセスの良さ、おしゃれなデザイン、機能性の高さなど、従業員満足度の高いオフィスを整えることで、採用活動における強みになり、優秀な人材を集めやすくなるでしょう。

従業員の負担を減らすなら分室として居抜きオフィスを活用する選択肢も有効

従業員の退職を防ぐには、通勤条件や働く環境が大きく変わらないように配慮することが大切です。現在のオフィスが手狭な場合でも、大規模な移転によって従業員に負担を強いるのではなく、今のオフィスを維持したまま、分室として居抜きオフィスを活用する方法もあります。居抜きオフィスは前のテナントが残した内装や設備をそのまま引き継ぐため、希望の条件に合致すれば新たな工事がほとんど不要で、初期費用を抑えつつスピーディーに拡張が可能です。

また、居抜きオフィスはすでに整ったデザインや機能を活かせるケースが多く、会議室やラウンジ、リフレッシュスペースなどが揃っていればすぐに運用でき、従業員の業務環境を変えることなくキャパシティ不足を解消できます。このように、既存オフィス+居抜きオフィスの分室活用は、従業員への影響を最小限にしながらオフィスの問題を解決できる有効な選択肢といえます。

まとめ

オフィス移転による退職を防ぐには、従業員の意見や希望を尊重しつつ、企業の目的や方針に合った移転先を選定することが重要です。従業員が快適に働けるオフィス環境を整えられれば、業務効率の向上や従業員のモチベーションアップにつながるだけでなく、優秀な人材の採用・定着にも良い影響を与えられます。また、従業員の負担を減らす方法として、既存オフィスを残しつつ分室として居抜きオフィスを活用するのも有効な選択肢です。

つながるオフィスは、居抜きオフィスへの移転実績が豊富です。首都圏を中心に1,000件以上の物件を掲載しており、エリアや働き方などの条件に合わせてお探しいただけます。希望の条件の物件が見つからない場合は、非公開の優良物件もご紹介しております。居抜きオフィスの活用をご検討の際は、ぜひお問い合わせください。