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オフィスの防災備蓄はどれくらい必要?担当者が知るべき備蓄品リストと管理方法を紹介
2025.12.24


近年、地震や台風などの自然災害が頻発しており、企業における防災対策の重要性がますます高まっています。特に、災害発生時に従業員の安全を守り、事業を継続していくためには、オフィスへの防災備蓄が不可欠です。しかし、「具体的に何をどれだけ準備すれば良いのか」「どこに保管すれば良いのか」など、多くの担当者様がお悩みではないでしょうか。この記事では、企業の防災担当者が知っておくべき、オフィス備蓄の基本的な考え方から具体的な備蓄品リスト、管理方法までを分かりやすく解説します。
目次
なぜオフィスに防災備蓄が必要なのか?
オフィスに防災備蓄を準備することは、単なる推奨事項ではなく、企業の重要な責任の一つです。従業員の安全確保はもちろん、法令遵守や事業継続の観点からもその必要性は高まっています。
従業員の安全を確保する企業の責任
企業は、労働契約法に基づき、従業員が安全で健康に働けるように配慮する「安全配慮義務」を負っています。これには、地震や水害といった自然災害から従業員を守ることも含まれます。災害発生時には、交通機関が停止し、多くの従業員が帰宅困難者となる可能性があります。そのような状況下で、従業員が安全にオフィスで待機できるよう、水や食料、衛生用品などを備蓄しておくことは、企業の基本的な責任と言えるでしょう。
条例で定められている企業の努力義務
東京都の「帰宅困難者対策条例」のように、自治体によっては事業者に従業員のための一斉帰宅の抑制と、3日分の水や食料などの備蓄を「努力義務」として課しています。努力義務とは、法的な強制力はないものの、遵守するよう努めるべきとされるものです。条例が制定されている背景には、災害時に多くの人々が一斉に帰宅しようとすることで、救助活動の妨げになったり、二次災害を引き起こしたりするリスクを防ぐ目的があります。企業の社会的責任として、これらの条例に対応することが求められます。
事業継続計画(BCP)の観点
事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)とは、災害などの緊急事態において、中核となる事業を中断させない、または可能な限り短時間で復旧させるための方針や手順を示した計画のことです。防災備蓄は、このBCPの重要な要素の一つです。従業員の安全が確保されていなければ、事業の復旧作業に着手することはできません。備蓄によって従業員が安心して待機できる環境を整えることは、災害後の迅速な事業再開を可能にし、企業の損害を最小限に抑えることにつながります。
【関連記事】BCP対策に強いオフィスとは?具体的な選び方と環境づくりのポイントを解説!
オフィスに揃えるべき防災備蓄品リスト
災害発生後の3日間は、人命救助活動が最優先されるため、公的な支援がすぐには届かない可能性があります。そのため、企業は自社で従業員を守るための備えが必要です。ここでは、オフィスに常備しておくべき基本的な備蓄品をカテゴリー別に紹介します。
【最重要】水と食料
生命維持に不可欠な水と食料は、備蓄の基本です。火や電気を使わずに食べられるもの、そしてアレルギーに配慮した食品を選ぶことが重要です。
| 品目 | 備蓄量の目安(1人あたり) | ポイント |
| 飲料水 | 1日3リットル×3日分=9リットル | 長期保存可能な500mlペットボトルが配布しやすくおすすめです。 |
| 主食 | 1日3食×3日分=9食 | アルファ化米、乾パン、缶詰パン、レトルト食品など、調理不要なものが望ましいです。 |
| 副食・その他 | 適量 | 栄養バランスを補う缶詰や、手軽にカロリー補給ができるお菓子(チョコレート、ようかんなど)もあると役立ちます。 |
【衛生】簡易トイレと衛生用品
断水すると、水洗トイレは使用できなくなります。衛生環境の悪化は感染症のリスクを高めるため、トイレ対策は食料と同じくらい重要です。
| 品目 | 備蓄量の目安(1人あたり) | ポイント |
| 簡易トイレ | 1日5回×3日分=15回分 | 凝固剤と処理袋がセットになったものが便利です。臭いを防ぐ機能がある製品を選びましょう。 |
| トイレットペーパー | 3ロール | 多めに準備しておくと安心です。ウェットティッシュも兼用できます。 |
| 衛生用品 | 従業員数に応じて | マスク、消毒用アルコール、ウェットティッシュ、歯磨きシート、生理用品などを準備します。 |
【安全・救助】ヘルメットや救急箱
災害発生直後の落下物から身を守ったり、負傷者の応急手当をしたりするための備品も不可欠です。
| 品目 | 備蓄量の目安 | ポイント |
| ヘルメット | 従業員1人につき1個 | すぐに取り出せるよう、各自のデスク周りやロッカーに保管するのが理想です。 |
| 救急箱 | 各フロアに1セット | 絆創膏、消毒液、包帯、ガーゼ、常備薬(鎮痛剤、胃腸薬など)を揃えます。 |
| 脱出用工具 | 各フロアに1セット | バールやジャッキなど。ドアが開かなくなった際に使用します。 |
【情報・電源】ラジオとバッテリー
停電時でも情報を収集し、連絡手段を確保するための備えは非常に重要です。
| 品目 | 備蓄量の目安 | ポイント |
| 携帯ラジオ | 複数台 | 手回し充電式や乾電池式のものが停電時にも使えて便利です。 |
| 予備電池 | 多めに | ラジオや懐中電灯に使用する電池は、使用推奨期限を確認し、多めにストックします。 |
| モバイルバッテリー | 複数台 | スマートフォンの充電に必須です。大容量のポータブル電源も検討しましょう。 |
【その他】防寒具やあると便利なもの
季節や状況に応じて必要となる備品も準備しておくと、従業員の心身の負担を軽減できます。
| 品目 | 備蓄量の目安 | ポイント |
| 毛布・ブランケット | 従業員1人につき1枚 | アルミ製の保温シートはコンパクトで場所を取らず、体温維持に効果的です。 |
| 軍手 | 従業員1人につき1双 | 瓦礫の撤去や片付けの際に、手の怪我を防ぎます。 |
| ゴミ袋 | 大小サイズを多めに | ゴミをまとめるだけでなく、簡易的な雨具や敷物としても活用できます。 |
| 懐中電灯 | 複数台 | 各フロアや共用部に配置します。LEDタイプが長持ちします。 |
適切な備蓄量の目安と計算方法
備蓄品を準備するにあたり、どのくらいの量を用意すれば良いのでしょうか。ここでは、基本的な考え方と具体的な計算例を紹介します。
最低でも従業員の3日分を準備します
多くの自治体のガイドラインでは、災害発生から3日間は救助・救命活動が優先されるため、その間、企業は従業員を施設内で待機させることが求められています。そのため、備蓄量は「従業員数×最低3日分」を基本として考えます。ただし、これはあくまで最低ラインです。企業の立地や事業内容によっては、ライフラインの復旧に時間がかかる可能性も考慮し、5日〜7日分など、より多くの備蓄を検討することも重要です。
従業員数に応じた備蓄量の計算例
ここでは、従業員数50名のオフィスを例に、水と食料、簡易トイレの必要量を計算してみましょう。
| 備蓄品 | 計算式 | 必要量 |
| 水 | 50人×3リットル/日×3日間 | 450リットル |
| 食料 | 50人×3食/日×3日間 | 450食 |
| 簡易トイレ | 50人×5回/日×3日間 | 750回分 |
この計算を基本に、自社の状況に合わせて調整します。例えば、日常的に来客が多いオフィスであれば、その分を上乗せして準備すると、より安心です。また、リモートワークが主体で出社率が低い場合は、実際の出社人数に合わせて量を調整することも考えられます。
防災備蓄品の効果的な管理と保管方法
備蓄品は、準備して終わりではありません。いざという時に確実に使えるよう、日頃からの適切な管理と保管が重要になります。
分散備蓄でリスクを軽減します
全ての備蓄品を1か所の倉庫にまとめて保管すると、その場所が被災して使用できなくなった場合、全ての備蓄を失うリスクがあります。このような事態を避けるため、備蓄品は複数の場所に分けて保管する「分散備蓄」を心がけましょう。例えば、各フロアのキャビネットや、部署ごとの収納スペース、従業員個人のデスクなどに分けて置くことで、どこにいても備蓄品を確保しやすくなります。
賞味期限の管理と定期的な見直し
食料や水、医薬品などには賞味期限や使用期限があります。いざという時に期限が切れていた、ということがないように、定期的な点検が不可欠です。年に1〜2回、防災の日などに合わせて棚卸しを行い、備蓄品リストと照らし合わせて数量や期限を確認する日を設けましょう。期限が近いものは、入れ替えが必要です。
ローリングストック法を取り入れる
ローリングストック法とは、普段から備蓄している食料や水を日常生活で消費し、使った分を買い足していくことで、つねに新しい備蓄を保つ管理方法です。賞味期限の長い特別な非常食だけでなく、普段から食べ慣れているレトルト食品や缶詰などを備蓄の対象にすることで、期限切れによる廃棄を減らし、無理なく備蓄を継続できます。社内イベントなどで消費し、新しいものを補充するサイクルを作るのも良い方法です。
まとめ
オフィスの防災備蓄は、災害時に従業員の安全を守り、事業を守るための重要な投資です。今回ご紹介したリストや管理方法を参考に、まずは自社の状況を確認し、できるところから準備を始めてみてください。計画的に備蓄を進めることが、万が一の事態に従業員と会社の未来を守るための第一歩となります。
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