
お役立ち情報
事務所内装工事を成功させるには?費用相場や進め方を解説
2025.05.28
オフィスの環境を整えることは、生産性向上や企業イメージの向上に直結する大切な取り組みです。特に働き方の多様化が進む昨今、事務所の内装やレイアウトを見直す企業が増えています。 しかし、いざ「事務所 内装 工事」を検討し始めると、予算や工期、どのように進めればいいのかなど、わからないことが一気に増えてしまいます。 ここでは、事務所内装工事の概要や種類、費用相場、具体的な進め方を解説していきます。
目次
事務所内装工事の概要とよくある課題
事務所内装工事とは、企業が使用するオフィス空間において、働きやすさやブランディングを意識した改装や設備導入を行う工事全般を指します。単なる模様替えではなく、床や壁、天井の仕上げ、電気や空調などの設備面に至るまで、オフィス環境を包括的に整えることが目的です。近年では社員のパフォーマンスを最大化するために、開放的なレイアウトを取り入れたり、コミュニケーションスペースを充実させたりする事例も増えています。
一方で、費用や工期の見通しが立ちにくく、支援会社選定も難しいといった課題を抱える企業が少なくありません。さらにデザイン面の方向性を定めきれず、社内コンセンサスを得るまでに時間がかかるケースもあるため、早めに計画をスタートすることが大切です。
工事を検討する際のポイント
事務所の内装工事は、オフィスの移転や増床、あるいは既存レイアウトの見直しを行うタイミングで検討されることが多いです。たとえば社員数が急激に増えたとき、業態変更で必要設備が変わったとき、あるいはブランディングを刷新したいときに内装を一新するのが一般的です。
その際にはまず予算の確保や工期の見通しを立てることが重要であり、社内稟議や承認プロセスも併せて計画に盛り込む必要があります。これらの要素が曖昧なままでは、支援会社に見積もりを依頼しても要件が定まらず、無駄な時間やコストが発生する恐れがあります。加えて、改装中も業務を止めることなく進めたい場合は、仮オフィスの手配や作業時間の調整など、工事とビジネスを両立させる工夫が不可欠です。
事務所内装工事の主な種類と内容
事務所内装工事では、内装の仕上げに関する工事と、設備面を整える工事の2つの大きなカテゴリーに分けられます。内装仕上げ工事には、天井や壁、床を整える軽鉄・ボード工事やクロス・塗装工事、床仕上げ工事などが含まれます。
一方、設備工事では電気・空調・LANなどのインフラをオフィス仕様に合わせて整備していくことになります。また、ビルの構造や契約形態によってA工事、B工事、C工事に区分されることがあり、テナントが負担する範囲やビルオーナー側が担う範囲があらかじめ取り決められているケースもあります。
下記にて事務所内装工事の主な種類について解説します。
内装仕上げ工事
内装仕上げ工事は、オフィス空間の見た目や質感、さらには快適性を左右する重要な作業です。内装のデザインコンセプトに従い、遮音性や防火性、メンテナンス性なども考慮して素材や施工方法を選定するのが一般的です。
たとえばメンテナンス重視ならタイルカーペットを採用し、デザインを重視するなら塗装やカラークロスを一部に取り入れるなど、企業の方針や用途に応じて柔軟に決められます。
軽鉄・ボード工事
軽鉄・ボード工事は、天井や間仕切りの骨組みを軽量鉄骨で作り、その上から石膏ボードなどを張り付ける工程です。遮音性や耐火性に優れる材料を用いることで、会議室や社長室などプライバシーや安全性が求められる空間をより機能的に仕上げることができます。
基本の流れとしては骨組みの設置からボードの貼り付け、パテ処理や塗装などの仕上げまで順番に進めるため、計画段階からレイアウト図面をしっかりと準備することが重要です。
クロス・塗装工事
クロスや塗装工事は、事務所内装の雰囲気を決定づける大きな要素です。クロスの場合はコストパフォーマンスや多様なデザイン性が魅力で、汚れが気になりにくい素材や抗菌機能を持つものも登場しています。
一方、塗装は質感や色の微調整がしやすく、アクセントカラーを取り入れやすいというメリットがあります。ただし施工時には塗料の臭気対策が必要で、オフィスを稼働しながら工事する場合は作業時間や施工範囲を細かく調整するとよいでしょう。
床仕上げ工事
床仕上げにはフローリングやタイルカーペット、クッションフロアなど多様な選択肢があります。フローリングは高級感や木の質感を演出しやすい一方、メンテナンスに手間がかかる場合もあります。
タイルカーペットは一部だけ張り替えがしやすく、オフィスでよく利用される素材です。クッションフロアは歩行音を軽減しやすく、耐水性や耐汚染性が高い点が特徴となります。
企業の用途やデザインイメージに合わせて、メンテナンス性とコストをバランスよく検討することが大切です。
設備工事
設備工事はオフィス機能を支えるインフラを整備する作業で、快適な執務環境を作るうえで欠かせません。電気設備や空調・換気、防災・防犯、電話やLANなどの通信設備までを総合的に設計することで、日々の業務がスムーズに進む体制を整えます。設備工事は建物自体の制約や、ビルオーナーとの契約条件にも左右されるため、施工可能な範囲を事前に把握しておくことが成功の鍵です。
電気・空調工事
電気工事では、パソコンや複合機などオフィス機器に合わせた電源レイアウトが必要です。コンセント数が不足していると電源タップが床を這い回る事態となり、見た目だけでなく安全面でも問題が生じます。
空調工事では、冷暖房のバランスや換気効率を適切に設計しないと、デスク位置によって寒暖差が激しくなり、生産性や健康面に悪影響を与える恐れがあります。エアコンや換気設備の能力をオフィスの広さと用途に合わせ、余裕をもって計画することが肝要です。
防災・防犯工事
オフィスにとって防災設備は欠かせない要素で、スプリンクラーや火災報知器が正常に機能するよう設置・点検することが法律で義務付けられています。
さらに、防犯カメラやセキュリティゲートの設置を通じて不審者の侵入を防ぎ、社員が安心して働ける環境を整えることも求められます。防災・防犯工事の計画段階で建物の構造や配管経路を十分に確認することで、後から追加工事が生じるリスクを軽減できます。
通信・LAN工事
情報社会の中で、電話やインターネット回線は企業活動の生命線ともいえる存在です。LANケーブルの配線計画や無線LANの電波干渉対策が十分でないと、業務に支障をきたすだけでなくセキュリティリスクも高まります。
オフィス内で大量のデバイスが同時に接続されるケースを想定し、帯域幅と通信速度に余裕を持たせることが理想的です。さらに、重要データを扱う場合はセキュリティ対策として暗号化や専用回線を導入するなど、運用時の安全性を高める工夫を検討しましょう。
事務所内装工事の費用相場
事務所の内装工事を行う際、気になるのが費用相場です。内装工事の費用は、物件の状態や施工内容によって大きく変動しますが、一般的には1坪あたり10万~40万円が目安となります。
居抜き物件の場合、既存設備をそのまま利用できるため、費用を抑えることができ、1坪あたり10万~30万円程度が相場となっています。一方、通常オフィス物件では設備や内装をゼロから施工する必要があり、1坪あたり20万~40万円程度と高くなる傾向があります。
内装工事費用の主な内訳は、軽鉄工事、内装仕上げ工事、電気・空調設備工事、消防設備工事などです。工事内容のグレードやデザインのこだわりによっても価格は変動するため、予算と優先順位を明確に設定することが重要です。
事務所内装工事の進め方・スケジュール
事務所内装工事は、目的とコンセプトを明確化するところから始まり、現地調査・見積もり、デザインと施工計画、実際の工事、最後にアフターフォローという流れで進みます。
それぞれの段階でポイントを押さえておくことで、余計な費用やスケジュールのズレを最小限に抑えることができます。特に業務を継続しながら工事を行う場合は、休日や夜間の施工を検討したり、仮移転先を用意したりするなどの対策をあらかじめ検討しておくと安心です。
目的・コンセプトの明確化
オフィスをただ新しくするだけでなく、社員のモチベーションを高めたり、採用活動で企業の魅力を伝えたりするなど、事務所内装工事にはさまざまな目的があります。
たとえば、社員のコミュニケーションを活性化させるためにオープンスペースを設けたり、集中力を重視してパーテーションを多めに配置したりと、企業ごとのコンセプトを明確にすることで必要な設備やレイアウトがより具体的に定まります。
この段階を安易に済ませてしまうと、後から「想定していた使い方と違う」という事態が発生しかねません。
現地調査と見積もり依頼
現地調査では、床や壁の状態、既存設備の老朽化度合い、天井高や配管経路などを細かく確認します。
特に追加費用が発生しやすい設備周りは、事前にどの程度の更新が必要なのかをしっかり把握しておくことが大切です。納期や施工時期の調整も、支援会社によっては繁忙期に大きく変動するため、早めの相談が望まれます。
デザイン・施工計画
デザインやレイアウトの検討は、内装の完成度を左右する最もクリエイティブな段階です。近年は3Dパースを活用して、実際の仕上がりイメージを共有しながら打ち合わせを進める方法が主流になりつつあります。
また、社内でのブランディングを重視する企業はロゴやブランドカラーを活かした内装設計に注力することも多いです。施工の優先順位を決めたり、どの範囲まで改装するかを精査したりすることで、予算とデザインのバランスをとりながら計画を立てることができます。
工事着工~完了までの流れ
工事が始まると、まずは解体や下地処理などの準備作業が行われ、続いて軽鉄・ボード工事や設備工事が進められます。各工程では進捗管理や品質チェックを適切に行い、設計図通りに施工が進んでいるかを確認することが重要です。
特に音や埃の発生を最小限にするための養生や、近隣のオフィスやテナントへの配慮を怠ると、トラブルに発展することがあります。また、完成間際には検収作業を入念に行い、追加補修や手直しが必要な箇所を洗い出すことで、引き渡し時点でのクオリティを確保します。
アフターフォローと注意点
引き渡し後も、一定期間の保証や定期点検を行うことで、万一の不具合やトラブルに迅速に対応できる体制を整えておくのが理想です。追加工事が必要になった場合にどうするか、備品の修理やレイアウト変更に対応してもらえるかなど、アフターフォローの内容を事前に確認しておけば、竣工後のオフィス運用がスムーズになります。
特に設備系の不具合は業務に支障をきたしやすいため、どのような連絡窓口を用意しているのかもチェックしておきましょう。
スペース別に見る内装工事のポイント
オフィス内装工事を成功させるためには、全体的なコンセプトを決めるだけでなく、部屋やエリアごとに求められる機能や特性に合わせて工夫を凝らす必要があります。
たとえばエントランスには企業の印象を左右するデザインが求められ、会議室には防音性やプレゼンに最適な設備が求められます。執務スペースは社員の生産性を維持・向上させることが重要課題となり、通路幅や机の配置などのレイアウトを一歩先まで考慮することが求められます。
エントランス
エントランスは、来訪者や新入社員が初めて目にする場所であり、企業のイメージを象徴する空間です。受付カウンターやロゴマークの配置、照明の演出など細部まで意識し、信頼感や洗練された印象を与えることが大切です。
最近ではデジタルサイネージを導入し、企業情報やビジュアルコンテンツを表示する事例も増えています。ブランドコンセプトと結びついた空間設計を行うと、外部からの評価だけでなく社員にも帰属意識を育む効果が期待できます。
会議室
会議室は意思決定やプレゼンテーション、顧客との打ち合わせなどが行われる重要な空間です。まず、防音性を確保することで機密情報の漏えいや周囲への騒音被害を抑えられます。
加えて、モニターやプロジェクターといったプレゼンに必要な機器を使いやすい位置に配置し、ケーブル類を整理するための電源や配線計画を考慮することが大切です。デスクのレイアウト次第で会議の参加人数やコミュニケーションのしやすさも変わるため、どのような会議が多いのかを事前に把握しておくと、より適切な空間設計が実現できます。
執務スペース
執務スペースの設計は、社員が日々長時間過ごす環境を整えるうえで最も重要といえます。デスク配置は当然ながら、通路幅や書類保管の動線、照明の配置、パーテーションの高さなど、多角的に検討するポイントがあります。
特にチームでのコミュニケーションが多い職場では、デスクを向かい合わせにして打ち合わせしやすいレイアウトを採用する一方、集中が必要な業種の場合はパーテーションや個人ブースを設けることも考えられます。照明については、自然光を取り入れるレイアウトと人工照明をうまく組み合わせることで、目の疲れを抑え、生産性を高める効果が期待できます。
事務所内装工事のコストを抑えるコツ
事務所内装工事には多額のコストがかかることが一般的ですが、ポイントを押さえれば予算を抑えることも可能です。たとえば、一部のエリアは高品質な素材を使い、他のエリアは標準グレードで済ませることでメリハリをつけられます。
スケルトンのまま天井を残してスタイリッシュなイメージを演出する手法や、家具を一括でオーダーせず自社で発注する方法も、工夫次第でコストカットにつながります。また、自治体によってはオフィス改装や省エネ設備導入に助成金を出している場合があるため、条件に合致すれば大きな費用軽減が期待できます。
支援実績を確認する
施工実績や専門資格を持つ企業であれば、要望に即した提案が受けられ、トラブルへの対応力も高い傾向にあります。
実績を確認する際には、似た業種や規模の事例があるかどうかをチェックすると、より自社に合ったノウハウを期待できます。アフターサービスの充実度も重要で、工事後に不具合が見つかった場合の対応スピードや保証期間が明確であるかどうか、事前に確認しておきましょう。
複数社に見積もり依頼をする
複数社に見積もりを依頼して比較することで、不明瞭な追加費用が見え隠れしていないか、契約書の細部が十分に整備されているかを精査できます。
複数社からの見積もりを怠り費用を最優先で選んだ結果、施工品質が低かったり、後になって追加請求が発生するリスクも考えられます。
事務所内装工事で理想的なオフィスを実現しよう
事務所内装工事は、企業が抱える課題を解決し、社員の働きやすさや顧客へのイメージアップを同時に実現できる大きなチャンスでもあります。
費用相場は物件の状態や施工範囲によって左右されますが、必要な工程や設備をきちんと理解し、支援会社選びからアフターサポートまで一貫した計画を立てることで、トラブルを最小限に抑えながら理想的なオフィスを実現できます。
「つながるオフィス」では、居抜き物件の仲介だけでなく、その先のオフィス設計や内装工事までをワンストップでサポートしています。
社員同士のコミュニケーションを活性化したい、集中とリラックスのメリハリをつけたい──そんなご要望に合わせて、社風や業務内容にフィットした空間デザインをご提案することが可能です。
CONTACT US CONTACT US
居抜きオフィス物件の
入居・募集なら
つながるオフィスへお任せください
