サステナビリティ
ユニバーサル園芸社/“プロの植木屋さん”に聞くオフィス緑化トレンド②居抜きオフィスへの導入アイディアご紹介
2025.11.07








企業の環境負荷低減や働く人のウェルビーイングといった取り組みを背景に、バイオフィリックデザインをベースにしたオフィス緑化が注目されています。 前号に引き続き、株式会社ユニバーサル園芸社の関東事業部 営業企画課 目黒秀憲さん、同課 田島絹さんの“プロの植木屋さん”お二人に、オフィス緑化に関するお話しを伺っていきます。後編となる今号では、特に『既存オフィスに導入するアイディア』にフォーカスしてお届けします。 「今いるオフィスに無理なくグリーンを取り入れたい」という企業さんは、ぜひ参考にしてみてください。
手軽に取り入れる①バリエいろいろ植木鉢
―既存のオフィスに、手軽にグリーンを取り入れる具体例を教えていただけますか?
田島さん:手軽なのは、やはり植木鉢やプランターに入った植物の導入ですね。鉢植えは、サイズのバリエーションも豊富ですし、飾る場所や飾り方もいろいろ選べます。
ベーシックな飾り方は、フロアやデスク、棚などに植木鉢を「置く」方法。重みを気にせず、手軽に取り入れられるのがメリットです。ただ大きさにもよりますが、置くだけだとインテリアに動きが出にくく、インパクトが得られにくい難点もあります。
壁や天井から、植木鉢を「吊るす」方法もあります。天井や壁にフックを設置して植木鉢を吊り下げると、グリーンの存在感が際立ち、空間に奥行きと動きが生まれるのがメリットですね。
既存オフィスの場合は、ビル環境の確認が必要なので要注意です。スケルトン内装であれば、荷重は要確認の必要がありますが、梁の部分を利用して吊るしたり引っ掛けたりできるので、取り入れやすいかもしれませんね。
ちなみに、植物は外光の入る窓際に置くのがいいと思われがちですが、蛍光灯やLED照明でも植物は育ちます。むしろ、西日があたる窓際など、極端に温度差が生じる場所に置くのは避けてあげてくださいね。


右写真:照明のように天井から、植木鉢を吊るしている 左写真:会議室に置かれた植木鉢。鉢も色・形・素材など様々な種類のものがあるので植物や空間に合わせてセレクトできる
手軽に取り入れる②フェイクで対応
―ハンギンググリーンなどがあると、オフィスがより華やかになって憧れますよね。ただ、鉢植えの重みなどが気になるのですが、いい方法はありますか?
田島さん:そうですね。天井や壁からグリーンを「吊るす」場合、土や水、本体の重みがネックになることが多々あります。その場合は、部分的または全体的にフェイクグリーンを取り入れるのがオススメです。フェイクは軽いので、簡単なフックを設置するなど簡易施工で壁面や天井を飾ることができます。
また、フェイクグリーンを這わせた仕切りやアートフレームなどを取り入れてもいいかもしれませんね。
「置く」スタイルであっても、お手入れのしにくい場所や暗い場所など環境条件がよくない場所にグリーンを設置したい場合には、フェイクを取り入れてみてください。フェイクといっても、枝葉は作り物でも幹は本物を使うなど、部分的に本物を混ぜ込んで質感をアップさせたものなど質のいいものがたくさんあります。
ただ、フェイクグリーンは紫外線に弱いので注意が必要です。もともと室内向けに開発されたものなので、屋外に設置するとすぐ劣化しまいます。外壁やエクステリアを飾る場合は、屋外専用のフェイクをおすすめします。


左写真:リニューアルされたばかりのすべてフェイクグリーンで飾られたオフィス空間
右写真:日が当たる窓際スペースにおかれたフェイクグリーン
本格的に取り入れる
―「本格的にガーデン風の植え込みを作りたい」という希望がある場合、既存オフィスでも叶うのでしょうか?
田島さん:既存オフィスであっても、高さのある樹木や下草などを組み合わせた、ある程度ボリュームのある植え込みをフロア内に作ることができます。たとえば床下10cm程度のOAフロアでも、鉢植えに入ったメインの樹木を設置し、周囲をフェイクの下草やコケ、流木や岩などでデコレーションすれば、自然な仕上がりの植え込みが完成します。ビル環境に問題がなければ、特別な工事は不要です。
フェイクがメインの植え込みであれば、さらに簡易的な工事で実現可能だと思います。
パーソナルなグリーンという選択肢
―内装インテリアとしてのグリーンだけでなく、“自分のデスクに持って行って楽しむ”グリーンもあると聞きましたが?
田島さん:はい。弊社の『TAKE GREEN』というサービスです。卓上サイズの鉢植えや花を複数レンタル提供させていただき、社員さんたちが朝出勤したときに「今日の相棒」の一鉢を選んで、その日一日その植物とデスクで一緒に過ごしてもらう、というもの。すでに複数の企業様で導入していただいていて、「グリーンを通して社員間の会話が増えた」「おだやかな気分になれる」など好評いただいています。自社でもやっていますが、みんな毎朝必ずデスクに持って行きますよ。


左写真: 窓に向かって設置された、執務エリアの曲線テーブル。本物のグリーンと、クルミチップスが飾られている
右写真:裏がロッカールームになっているアートウォールと、『TAKE GREEN』が置かれている棚(右側)
社内でイチオシのスペースは?
―御社のオフィス内は、どこのフロアも植物があふれていて本当に素敵ですね。ちなみに、社内でイチオシのグリーンスペースはどこですか?
目黒さん:窓に向かって設置された、執務エリアの長テーブルですね。曲線的な柔らかいラインになっていて、左右の人との距離感が居心地よく感じられるので気に入っています。テーブルの向こうに植えてあるのは、すべてリアルの植物 。それぞれ自由な感じでのびのび育っている感じも好きですね。
田島さん:土の上に敷いてあるクルミチップのコロコロとしたビジュアルもいいですよね。ここで作業していると、つい無意識にクルミチップを触っちゃうんです。癒し効果があるのかもしれませんね(笑)。
―目黒さん、田島さん、貴重なお話しをありがとうございました。
同社では、“植物を大切にする”というポリシーから、サステナブルな取り組みにも注力されています。レンタルで弱って帰ってきた植木を廃棄処分にせず『養生』させてよみがえらせる取り組み、せん定した枝葉を再生させて廃棄処分を減らす取り組み『LEAF』のほか、関連会社では、せん定ごみと廃棄衣類を合わせて94%再生素材で作った板材パネル『Loss Green PANECO』なども開発販売しているそうです。
企業のサステナビリティやウェルビーイング、採用に向けたイメージアップなどを検討されている方は、“プロの植木屋さん”ユニバーサル園芸社さんのグリーン導入アイディア、ぜひ参考になさってみてくださいね。
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